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2024.09.19 00:00

「拝借」とは?意味やビジネスシーンでの使い方と丁寧な言い換え表現を例文付きで解説

「拝借」とは?意味と基本的な使い方

「拝借(はいしゃく)」は、「借りる」の謙譲語であり、自分の行為をへりくだって表現する言葉です。特に、ビジネスシーンでは目上の人に対して、丁寧に何かを借りる際に用いられます。謙譲語として、自分の行為にのみ使用できるため、目上の人や同等の立場の相手には適切ですが、目下の人には不自然な印象を与える場合があります。

「拝借」は返すことが前提となるものに使われるため、時間や名前など、返却できないものに対しては通常使用しません。しかし、「お知恵を拝借」といった慣用的な表現は例外として存在します。

ビジネスシーンにおける「拝借」の使い方

1. 物を借りる際の使い方

ビジネスで上司や取引先から何かを借りる場面では、「拝借します」を用いることで、敬意を表しながら依頼することが可能です。例えば、会議の準備で機材や資料を借りたい場合に使われます。

例文:
「来週の会議で使うプロジェクターを拝借できますでしょうか。」

2. 意見や知恵を伺う際の使い方

ビジネスでは、上司や先輩の意見を求める場面も頻繁にあります。「お知恵を拝借」という表現を使うことで、相手に敬意を示しつつ、協力を仰ぐことができます。

例文:
「新しいプロジェクトに関する提案について、部長のお知恵を拝借できれば幸いです。」

3. 慣用表現「お手を拝借」

「お手を拝借」は、会合や打ち上げなどでの一本締めなどの場面でよく使われる慣用表現です。特に宴会やプロジェクトの締めくくりとして、「皆様のお手を拝借いたします!」という形で使われます。

例文:
「それでは皆様、お手を拝借!」

「拝借」の言い換え表現とその使い方

1. 「お借りする」

「拝借」の類語である「お借りする」は、より日常的で自然な敬語表現です。ビジネスシーンで堅苦しさを抑えつつ、丁寧に相手に何かを借りるときに適しています。

例文:
「会議室をお借りしてもよろしいでしょうか。」

2. 「借用」

「借用」は、物や設備を一時的に借りることを意味します。特にビジネス文書や契約において使用されることが多く、「借用書」「借用証書」といった正式な場面でも見られます。

例文:
「社内のプロジェクターを1日だけ借用させていただきます。」

3. 「お力を借りる」

「お力を借りる」という表現は、相手の助けやサポートをお願いする場面で使用されます。特に、プロジェクトやチームで協力を仰ぐときに使うと、柔らかい表現で相手に依頼できます。

例文:
「この件に関しては、皆様のお力をお借りできればと思います。」

「拝借」を使う際の注意点

1. 二重敬語を避ける

「拝借」はすでに謙譲語なので、「ご拝借」といった二重敬語は誤りです。「ご拝借」などと表現すると、過剰な敬語表現となり、不自然な印象を与える可能性があります。

2. 自分の行為にのみ使う

「拝借」は自分の行為をへりくだって表現する謙譲語なので、他者の行為には使いません。目上の人の「借りる」行為には、「お借りになる」を使うのが適切です。

例文:
「社長がお借りになった書類についての確認をお願いします。」

3. 返却できないものには使用しない

「拝借」は返却が前提の言葉であるため、時間や名前など、返すことができないものに対しては使用しません。しかし、「お知恵を拝借」といった慣用句として使われる場合は例外です。

「拝借」を使ったビジネスメール例

ビジネスシーンでは、メールでのやり取りが多く、「拝借」を使った丁寧な依頼をすることもあります。以下は、その一例です。

件名:【お願い】会議室の拝借について

お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。

来週の会議にてプロジェクターを使用したく存じます。恐れ入りますが、会議室のプロジェクターを1時間ほど拝借できれば幸いです。

お手数をおかけいたしますが、ご確認のほど、よろしくお願い申し上げます。

株式会社〇〇
△△

まとめ:適切に「拝借」を使って敬意を示す

「拝借」は、ビジネスシーンにおいて目上の人に対して何かを借りる際に、丁寧で敬意を示す表現です。使い方を誤ると、相手に不自然な印象を与えることがありますので、言い換え表現や適切なシチュエーションでの使用に気を配る必要があります。

適切に「拝借」を使うことで、相手に対する敬意を示しながらスムーズなコミュニケーションを図ることができるでしょう。

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