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2024.09.26 11:00

マイクロファイナンスの旗手が語る 二宮尊徳の教えと「マントル経営」

スタートアップなどの未上場株を組み込める投資信託の「ひふみクロスオーバーpro」をローンチした、レオス・キャピタルワークス。

同社の代表であり、ファンドマネジャーでもある藤野英人と、世界各地へのマイクロファイナンスで成長を続ける五常・アンド・カンパニー代表の愼泰俊が、お互いの経営哲学について語った。



藤野英人(以下、藤野):五常・アンド・カンパニーは、カンボジアやスリランカ、近年はインドに重点を置いてマイクロファイナンスを展開されています。

もともと、慎さんとは起業前からお会いしているんですよね。当時は、会社員でありながらNPO法人を立ち上げ、国内初のマイクロファイナンスファンドを企画されていたわけで、ある意味、必然的に今のビジネスモデルが生まれたのではとお察しします。

そもそも社名の「五常」は、二宮尊徳の教えから取られたものですよね?

愼泰俊(以下、愼):その通りです。学生時代に岩波文庫をほぼ読破した時期がありまして、そのとき読んだ『代表的日本人』(内村鑑三)で、二宮尊徳に関心をもつようになりました。その後、二宮尊徳についての本を読むうちに、「五常講」という信用組合を作り、数々の農村の復興事業を進めたことを知ったんです。
五常・アンド・カンパニー代表執行役 愼泰俊

五常・アンド・カンパニー代表執行役 愼泰俊

藤野:二宮尊徳は、日本が生んだ最初のスーパーファンドマネジャーだと思います。ある種のマイクロファイナンスを成功させて、ファンドを大きく成長させていった。その在り方から、我々投資家も学ぶことが多くあります。

当時の記録には、「実際にどういう人にお金を貸すのか」など、彼の考えが非常に細かく残っているんですよね。「台所がきれいに整頓されている人は返済率が高い」とか。

愼:現代にも通じる部分がありますね。デフォルトの可能性がある顧客の家を訪問することもあるのですが、やはり家の中が散らかっている場合が少なくないと思います。

藤野:これは「規律」の問題なのでしょうね。二宮尊徳も規律をとても重視していました。仁・義・礼・智・信の重要性を説く五常の教えがまさにそうですし、借り手には効率的な薪の使い方などの節約の手段を細かく指導して、生活基盤を改善させていたそうです。返す気のない人にお金を貸すのではなく、あくまで真面目にがんばろうとしている人にお金を貸していたと。

江戸時代に限らず、現在でも、世界各国にも通じる考え方でしょう。マイクロファイナンスは単に恵みを施すものではなく、規範的に生きる人にお金の循環をもたらし、社会を豊かにするもの。その姿勢があるからこそ、五常・アンド・カンパニーの事業も社会に受け入れられているのだろうと思います。

「マントル経営」が地殻変動を起こす

藤野:慎さんがマイクロファイナンスをビジネスにしようと考えたきっかけは、どこにあるのでしょうか?

愼:私自身、お金に困った経験を多くしているんです。特に、大学院に合格した際には、金銭的な援助なしでは行けず、親がどうにか工面してくれました。

振り返ると、あのときの自分には金融アクセスが極めて重要でした。自分の原体験として、金融包摂が行き届いていない、つまり、誰もが経済活動のチャンスを捉えたり、経済的に不安定な状況を軽減したりするために、金融サービスにアクセスできる環境が整備されていない地域でのファイナンスには意義があるし、事業としても成り立つだろうという感覚がありました。

そこで、大学卒業後に働きながらNPO法人を立ち上げ、マイクロファイナンス投資ファンドをつくりました。現地での感触を確かめつつ、マイクロファイナンスが産業として成立しはじめたタイミングを計って起業したんです。

また、「自分という人間と事業とのフィット感」も重視しましたね。私は八戸から下関まで1,648キロメートルを、27日間かけて走ったことがあります。

藤野:それはすごいですね!

愼:完走するために重要だったのは、粛々と続けることだったのですが、私は物事を飽きずに一定のペースでやり続けることが得意だと思います。その観点からすると、金融は1,000年以上前から存在していて、比較的変化が緩やかな事業です。ピボットを繰り返すより、辛いときにも踏ん張ってやり続けたい自分には、合っていると感じました。

藤野:確かに、慎さんの取り組みは瞬間風速的な伸びではなく、ゆっくりとした潮流に乗って、確実に根を張ってきた印象があります。我々も、投資信託の世界で既に競合他社がひしめくなか、少しずつ顧客を増やしてきたので、共感するところがありますね。
レオス・キャピタルワークス代表取締役社長 藤野英人

レオス・キャピタルワークス代表取締役社長 藤野英人

愼:起業家の友人と話すと、常に動き続けているほうが好きな人が多いんですよ。粛々と続けることが得意な人は少数派なようです。

藤野:経営者のタイプによるのでしょうね。我々は、高い熱量を持って、ゆっくりと地殻変動を起こしていくタイプ。例えるなら、地球の内部を流れるマントルのようなものですね。お互い「マントル経営」で、大陸を動かしていきましょう。

10年越しで実現したクロスオーバー投資

藤野:ゆっくりと地殻変動を起こすという意味では、「ひふみクロスオーバーpro」も、10年ほど前から「こんな公募信託を作りたい」と動いた結果、実現したものでした。

スタートアップは、上場後に資金不足に陥る「死の谷」に、たびたび悩まされてきました。それまで投資をしてきたベンチャーキャピタルなどが、上場後に株式を売却してしまうためです。

「上場ゴール」という言葉がありますが、多くのスタートアップにとっては、むしろ上場してからがスタート。ならば、レイターステージの段階で投資をし、上場後も株式を持ち続けることで、その企業を応援できる仕組みがあったらいい。

ただ、これまでは公募投信に含まれる未上場株の比率に制限があり、実現が難しかったんです。その制限が2024年2月に緩和され、ようやく10年越しの夢が叶いました。

愼:レイターステージにおける資金調達の悩みは、上場を経験したスタートアップなら誰しも覚えがあると思います。藤野さんのおっしゃる通り、日本のスタートアップの株価が上場後に伸び悩んでしまうのは、それが一因ですよね。

藤野:もったいないことですよね。ひふみクロスオーバーproは、その名の通り、未上場株と上場株の双方を取り込んで“クロスオーバー”させた商品です。未上場株には「どうなるかわからない」という魅力があります。起業時に作った事業計画と、1年後の姿がまったく違うこともありうる。それを面白がれるかどうかなんですね。チームの成長に投資する醍醐味があるわけです。

一方、上場株になると、一気に「数字」の世界になります。経営者の魂やビジョンよりも、とにかく数字が求められる。上場前と上場後の世界には、大きなカルチャーギャップがあり、それが株価の断層を生むひとつの原因になっています。我々の新たな取り組みで、このギャップを埋められればと考えています。

ビジョンも、熱量も、数字もすべて取り込んでクロスオーバーさせる。そんなファンドに成長させていきたいです。

愼:資金調達については創業後の10年間苦労しっぱなしでしたので、もはや苦労が常態になっていて気にならなくなりました。そうしたなかで、我々と同じように粛々と事業を続けるスタートアップが、継続的に支援を受けられる仕組みが出てくるのはありがたいですね。

ふじの・ひでと◎1966年、富山県生まれ。投資家、ひふみシリーズ最高投資責任者。レオス・キャピタルワークス代表取締役社長CIO。1990年早稲田大学法学部卒業、野村投資顧問(現:野村アセットマネジメント)入社。ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント等を経て03年に独立、レオス・キャピタルワークスを創業。

しん・てじゅん◎1981年生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。モルガン・スタンレー・キャピタル、ユニゾン・キャピタルを経て、2014年に五常・アンド・カンパニーを設立。21年に日本児童相談業務評価機関を共同設立。



投資信託にかかるリスクについて


価格変動リスク:国内外の株式や公社債を実質的な主要投資対象とする場合、⼀般に株式の価格は個々の企業の活動や業績、市場・経済の状況等を反映して変動し、また、公社債の価格は発⾏体の信⽤⼒の変動、市場⾦利の変動等を受けて変動するため、その影響を受け損失を被るリスクがあります。

流動性リスク:有価証券等を売却あるいは取得しようとする際に、市場に⼗分な需要や供給がない場合や取引規制等により⼗分な流動性のもとでの取引が⾏なえない、あるいは不利な条件で取引を強いられたり、または取引が不可能となる場合があります。これにより、当該有価証券等を期待する価格で売却あるいは取得できない可能性があり、この場合、不測の損失を被るリスクがあります。

信用リスク:有価証券等の発行者や有価証券の貸付け等における取引先等の経営・財務状況が悪化した場合またはそれが予想される場合もしくはこれらに関する外部評価の悪化があった場合等に、当該有価証券等の価格が下落することやその価値がなくなること、または利払いや償還金の支払いが滞る等の債務が不履行となるおそれがあります。投資した企業等にこのような重大な危機が生じた場合には、大きな損失が生じるリスクがあります。

為替変動リスク:外貨建資産を組み入れた場合、当該通貨と円との為替変動の影響を受け、損失が生じることがあります。

カントリーリスク(エマージング市場に関わるリスク):当該国・地域の政治・経済情勢や株式を発行している企業の業績、市場の需給等、さまざまな要因を反映して、有価証券等の価格が大きく変動するリスクがあります。エマージング市場(新興国市場)への投資においては、政治・経済的不確実性、決済システム等市場インフラの未発達、情報開示制度や監督当局による法制度の未整備、為替レートの大きな変動、外国への送金規制等の状況によって有価証券等の価格変動が大きくなる場合があります。

未上場株式等への投資に関するリスク:当ファンドは、投資事業有限責任組合を通じて実質的に未上場株式等に投資を行なうため、他の金融商品を組み入れた投資信託と比較して、加えて、主に以下のリスクがあります。これらのリスクにより、基準価額が大きく下落し、損失を被るリスクがあります。

・当ファンドが実質的に投資する未上場株式等は、各銘柄の価格が各企業の個別要因や イベント(デフォルト、上場、M&A等)によって大きく変動し、上場企業の株式とは値動きの方向性や変動率が大きく異なる場合があるため、評価額が大きく変動し、その影響を受け損失を被るリスクがあります。

・当ファンドが実質的に投資する未上場株式等は流動性が著しく乏しいため、売却時に不利な価格での取引をせざるを得なくなるなど、流動性リスクおよび各種リスクの影響が大きくなる可能性があります。

・未上場株式等の評価額については、その時点で入手できる情報に基づいた公正価値の見積りであり、日々の投資信託の基準価額算出においては、影響を受ける可能性のある 重要な事象を完全かつ正確に反映することが困難となります。

したがって、お客様(受益者)の投資元本は保証されているものではなく、基準価額の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)の「投資リスク」をご覧ください。


「ひふみクロスオーバーpro」にかかる費用について

■お客様に直接的にご負担いただく費用:

購入時手数料:申込金額に対する手数料率は3.30%(税抜3.00%)を上限として、販売会社が定める料率とします。購入時の商品説明または商品情報の提供、投資情報の提供、取引執行等の対価として販売会社にお支払いいただきます。「自動けいぞく投資コース」において、収益分配金を再投資する場合は無手数料です。なお、お取り扱い可能なコースおよびコース名については販売会社によって異なる場合がありますので、販売会社にお問い合わせください。

換金時手数料・信託財産留保額:ありません。

■お客様に間接的にご負担いただく費用:

運用管理費用(信託報酬):信託財産の純資産総額に対して年率1.650%(税抜年率1.500%)を乗じて得た額。信託報酬とは、投資信託の運用・管理にかかる費用のことです。日々計算されて、投資信託の基準価額に反映されます。なお、毎計算期間の最初の6ヵ月終了日および毎計算期末または信託終了のとき「ひふみクロスオーバーpro」の信託財産から支払われます。

その他費用・手数料:組入有価証券の売買の際に発生する売買委託手数料(それにかかる消費税等)、先物取引・オプション取引等に要する費用、外貨建資産の保管等に要する費用、租税、信託事務の処理に要する諸費用、監査法人等に支払うファンドの監査に係る費用(監査費用)およびそれにかかる消費税等、受託会社の立て替えた立替金の利息など。 監査費用は日々計算されて、毎計算期末または信託終了のとき、その他の費用等はその都度ファンドから支払われます。これらの費用は、運用状況等により変動するものであり、予めその金額や上限額、計算方法等を具体的に記載することはできません。

レオス・キャピタルワークス株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1151号

一般社団法人投資信託協会会員・一般社団法人日本投資顧問業協会会員

Promoted by レオス・キャピタルワークス / text by 井上マサキ / photograph by 栃久保誠/ edited by 杉山大祐(ノオト)