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欧州

2024.09.18 09:00

ウクライナ軍、クルスク州の新たな攻撃軸で挟撃狙う ロ軍の反撃は停滞

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ウクライナとの国境地帯にあるロシア西部クルスク州ノービプーチ村のすぐ南で12日、旧ソ連製のIMR-2戦闘工兵車に乗り込んだウクライナ軍工兵部隊がロシア側の防御線を突破したことは、この戦争を観察している人の多くを驚かせた。ロシア側の反応も同じだったようだ。

ノービプーチ村は、クルスク州でウクライナ側が支配しているおよそ1000平方kmの突出部から西へ30kmかそこらに位置する。この突出部は8月上旬、ウクライナ軍の精強な部隊(8個かそこらの経験豊富な旅団から抽出された12個前後の大隊)が同州に侵攻し、一気呵成に制圧した地域だ。

先週時点では、ウクライナ軍がなぜノービプーチ村周辺で新たな侵攻を始めたのかは不明だったが、ここへきて徐々に明らかになりつつある。戦車の支援や滑空爆弾を投下する空軍機の援護を受けつつ、空中強襲(空挺)軍の第95独立空中強襲旅団を主力とするとみられる戦術グループはノービプーチ村を越え、すぐ北にあるベショロエ村の南を抜けて右方へ切り込んでいる。

つまり、新たな侵攻部隊はクルスク州の突出部のほうへ向かっている。ノービプーチ村から北東へ進撃しているこの部隊が突出部のウクライナ軍部隊とつながれば、両部隊と国境の間で数千人規模ともみられるロシア軍部隊が孤立することになるだろう。

一方で、ウクライナ側には、この機動作戦を完遂するのに十分な、装備の整った部隊がない可能性もある。

新たな侵攻作戦を支援しているウクライナ軍のドローン部隊「コーン・グループ」は当初から、この作戦にロシア軍部隊を包囲する狙いがあることを示唆していた。13日、ソーシャルメディアに「われわれはロシアの新たな地域に数km進撃した」と書き込み、「数千人単位のロシア徴集兵部隊が包囲に瀕している」続けていた。

ウクライナ側が実際にロシア軍部隊の包囲を狙っているのだとすれば、現地の地理的条件が有利にはたらくだろう。ウクライナ軍が東西の左右両翼からロシア軍部隊を挟み込む可能性がある地域の北側の大部分は、セイム川が自然の境界線になっているからだ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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