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2024.09.19 17:45

スタートアップへの転職、40歳以上が大幅な伸び

政府は2022年に「スタートアップ育成5か年計画」として、官民による支援を示し、日本の経済成長や雇用創出には欠かせない重要施策としている。これは海外に比べ、日本でのユニコーン企業の創出スピードは遅く、このままでは世界に対抗できないという危機感の現れでもある。

スタートアップの初期段階で重要なのは人材確保。そんな人材に関してリクルートがスタートアップへの転職に関する動向を発表している。

それによると、「リクルートエージェント」でのスタートアップへの転職者数と、スタートアップの求人数の推移は、2015年度を1としたとき以下のようなグラフになっている。

2023年度の転職者数は、2015年度に比べて3.1倍とかなり伸びているが、求人数は6.8倍となっており、スタートアップの人材へのニーズに、転借視野数が追いついてない状況が続いている。

転借者数を年代別に見てみると、20~39歳が2015年度に比べて2023年度は2.7倍だったが、40歳以上は7.1倍と急激な伸びを示している。仕事に対するやりがいや、ミドル・シニア層のエンジニアが持つ豊富な知見や経験が必要であると考えるスタートアップが多く、このような傾向になっているものと思われる。

スタートアップへの転職時の提示年収水準は、2015年度に比べて2023年度は、400万円未満がかなり減少し、400万円以上600万円未満が15.2ポイントの上昇をはじめ、それ以上も増加している。これは、資金調達手法が多様化し、国からの補助金が手厚くなっているため、賃金アップに寄与していると考えられる。

スタートアップは、少ない従業員で新たなことへ挑戦することで、やりがいを感じられる一方、成功するか否か、資金調達ができるかなど、企業として大きくなっていくのかという不安もある。ただ、ミドル・シニア層の転職者が増えているところを見てみると、そうした不安を払拭するぐらいの魅力を秘めたスタートアップが増えているようだ。

出典:リクルート「スタートアップへの転職に関する動向」より

文=飯島範久

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