カリフォルニア州の警察は、アップルのVRヘッドセット、Apple Vision Proのテストを開始した。このデバイスは、監視映像の閲覧や、法執行機関のデータベースへのアクセス、犯罪容疑者の追跡などに使用される予定だ。
オレンジ郡保安官事務所は、新設した「リアルタイムオペレーションセンター」の機能強化を図るため、8月にアップルからVision Proのデモを受けた。この部門は、車のナンバープレートから携帯電話の位置情報、過去の犯罪記録に至るまで、あらゆるデータにリアルタイムでアクセスしている。通常、これらのデータは複数のスクリーンにまたがる大きなダッシュボードに表示されている。
オレンジ郡保安官事務所でCIO(最高情報責任者)を務めるデイブ・フォントノーは、Vision Proを使ってバーチャル版の犯罪センターにリモートアクセスし、地図や警察データベースの閲覧や、警官の配備指示などの作業を行ってみたという。「将来的には、無数のスクリーンを備えたコストのかかる中央集中型のリアルタイム犯罪センターは不要になるかもしれない」と、彼は述べている。
これまで、警察はVRヘッドセットを現場での危険な状況を疑似体験するためのトレーニングに使用してきた。しかし、Vision ProはVRヘッドセットを監視ツールに変え、警官がどこからでも監視センターにアクセスすることを可能にする。
Vision Proの価格は3499ドル(日本では59万9800円から)と高額だ。しかし、警察は強力な新技術を必要としており、アップルに大量発注する可能性がある。調査会社IDCによると、アップルはこれまでに約20万台のVision Proを出荷しており、2024年上半期の売上は7億ドル(約980億円)に達すると推定される。
これにより、同期間における米国のVRヘッドセット市場規模は10億ドル(約1400億円)に達し、前年の6億ドルから68.9%拡大した。米国警察の資金を追跡する非営利団体、ヴェラ・インスティテュートとアーバン・インスティテュートによると、米国では毎年1000億ドル(約14兆円)以上が警察活動に費やされているというが、テクノロジーへの支出割合が増加している可能性が高い。