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イーロン・マスクが認めた中国の「無名のゲーム会社」がユニコーンに

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中国・深センのほぼ無名のゲームスタジオが開発したPCゲーム『黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)』が、リリース直後から大ヒットを記録している。16世紀の古典小説『西遊記』をベースとしたこのゲームは、英語を含む多言語でプレイ可能なシングルプレイヤーPCゲームで、8月20日にリリースされて以来、業界のブロックバスター作品である『サイバーパンク2077』や『エルデンリング』を初期の売上で上回り、世界で最も有名なゲームマニアの一人であるイーロン・マスクからも称賛された。

マスクは最近のX(旧ツイッター)の投稿でこのゲームが「印象的だ」と述べて、孫悟空になった自身の写真を掲載した。

フォーブスは、このゲームの開発元であるGame Science(ゲームサイエンス)の評価額が18億ドル(約2530億円)に達し、ユニコーンの仲間入りを果たしたと試算している。同社を2014年に創業した42歳の「ゲーム中毒者」の馮驥(フェン・ジー)の個人資産は約7億7000万ドル(約1083億円)と推定できる。

『黒神話:悟空』の売上は、今年だけで最大3500万本に達し、総収益は10億ドル(約1400億円)を突破する見通しだ。ゲームサイエンスは、フォーブスからの複数回にわたる取材要請に応じていない。

同社の躍進は、中国政府が46億ドル(約6470億円)規模の国内のゲーム業界を若者の依存症などの社会問題の原因と非難している中での出来事であるため、なおさら注目されている。中国のプレイヤーはマルチプレイヤーのモバイルゲームを好み、シングルプレイヤーのPCゲームを避ける傾向があるため、ネットイースやテンセントなどの国内のゲーム大手はPCではなくスマホ向けのゲームに注力している。

しかし、上海の調査会社、Blue Lotus Capital Advisorsのアナリストであるスタン・チャオは、『黒神話:悟空』のストーリーが『西遊記』に基づく中国の民間伝承に根ざしていることから、中国当局がこのゲームに「前例のない支援」を与えていると述べている。中国の国営メディアの新華社は最近、このゲームを「グローバルな舞台への重要な飛躍」と評した。

このゲームはさらに、中国の国内消費を押し上げる効果をもたらすとも見られている。『黒神話:悟空』のファンは、ゲーム自体への支出に加えて、ゲームに登場する古代の寺院や他の観光地を訪れ、飛行機やホテルの予約が増加している。ラッキンコヒー(瑞幸珈琲)は先月、アメリカーノのパッケージに孫悟空をフィーチャーしたが、注文が殺到してシステムがクラッシュした。
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編集=上田裕資

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