ビジネス

2015.08.04

中国、自動車メーカー「力帆」 コネクティッド・カー部門を強化

Denys Prykhodov / Bigstock

中国の自動車メーカー、力帆(リーファン)グループは重慶のテクノロジー企業、Woasisを4800万ドル(約59億円)で買収することを発表した。今回の買収はリーファン社のコネクティッド・カー(ネット接続可能な車)事業の強化が目的とされている。

7月28日のリーファン社の声明によれば、同社は今回の買収でWoasis社のIoT技術を獲得。スマートカーや新エネルギー自動車分野での競争力の向上を目指す。2007年創業のWoasis社はIoT技術に強みを持ち、最近は自動車向けウェブモニタリングサービスを立ち上げている。リーファンによるとWoasisは直近の3年間で900万ドル(約11億円)の利益を上げる見込みだという。

中国の自動車メーカーらは現在、突然の経済の停滞に直面し、競争が激化する中で先を争って新サービスの開発に乗り出している。米自動車メーカーのフォードは先週、世界最大の自動車マーケットである中国での売上が今年、20年ぶりに下落するとの観測を明らかにした。

フォードチャイナのCEOのジョン・ローラーは先月初旬の声明の中で「今年前半期の売上は停滞する業界の中で、なんとか持ちこたえた」と述べていた。フォードは今年前半期に543,488台の自動車を中国で販売。これは前年同期とほぼ変わらぬ数字だが、6月の売上は83,506台と前年比で約3%下落している。この分野で成長が見込めるのは新エネルギー車だが、まだ市場規模は小さい。

上海株式市場に上場しているリーファン社会長の尹明善(Yin Mingshan)は、オートバイ産業で成功を収めた後に、自動車産業に参入した。彼は2014年にフォーブスの中国人富豪リストの159位にランクイン。その資産額は12億6千万ドル(約1563億円)と推定されている。

文=ラッセル・フラネリー(Forbes)/ 編集=上田裕資

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