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欧州

2024.09.16 09:00

ロシア軍の名うてのドローン操縦士、肉弾突撃に投入され死亡か 指揮官の腐敗告発

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ドローン(無人機)に人は搭乗していないが、地上にパイロット(操縦士)がいる。そして、ドローンは技量のある操縦士がいて初めてその力を発揮する。

ウクライナが今年、ウクライナ軍に独立軍種として「無人システム軍」、通称「ドローン軍」を設立したのもそのためだ。ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官(大将)はCNNのインタビューで、ドローン軍は「各方面の戦線でその有効性を証明しています」と語っている。

一方、ロシア軍にドローン専門の独立軍種は存在しない。そしてこれは、ロシア陸軍で指折りの熟練ドローン操縦士だったドミトリー・リサコフスキーの身に降りかかった災難の一因でもあったかもしれない。

リサコフスキーは13日、ウクライナ東部ドネツク州ポクロウシク市の中心部から南東へ6.5kmほどのリシウカ村に対する歩兵突撃の際に、行方不明になったと伝えられる。周知のとおりポクロウシク正面は現在、東部戦線で最も危険な正面のひとつになっている。

ロシア軍の失敗に終わったこの突撃に、リサコフスキーはドローン操縦士として参加したのではなかった。ライフル銃を携行して一歩兵として戦い、伝えられるところでは死亡した。本人も死期が近いことを予感していたようだ。攻撃直前に自撮りした動画のなかで、「わたしは戻ってこられない可能性が高い」と話している。

ロシア軍はウクライナ軍よりも格段に規模が大きく、全体として見れば装備面でも上回っている。それなのに、ドローン戦でウクライナ軍に対抗するのに苦労しているのはなぜなのか? そう不思議に思う人は、ドローンの成功したどの任務飛行の裏にも、人間がいるということを思い起こすといいだろう。ウクライナがドローンの操縦士たちを大切にしているのは、たんにそれが正しいことだからだけではない。各操縦士が生き延びてくれれば、経験が蓄積され、技能も高まっていくからだ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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