欧州

2024.09.16 09:00

ロシア軍の名うてのドローン操縦士、肉弾突撃に投入され死亡か 指揮官の腐敗告発

ウクライナ軍のFPV(一人称視点)ドローン操縦士は最近、空中でロシア軍の監視ドローンもよく落とし始めているが、これにはそれなりの理由がある。この種の空中戦は、必要とされる状況認識や精度の関係ですこぶる難しい。空中目標に対するドローンでの攻撃は、操縦士がきわめて熟練しているからこそ可能なのだ(編集注:ウクライナ軍は一方で、自動誘導など自律性の高い迎撃FPVドローンも使い始めているとみられている)。

これに対して、ロシア軍がドローン対ドローンの格闘戦で敵ドローンを撃墜したという事例ははるかに少ない。全体的に、ドローン操縦士の技量レベルがウクライナ側よりも低いことが一因なのは間違いない。そしてその低さは、リサコフスキーのように経験豊かな操縦士をロシア軍が浪費していることが原因かもしれない。

リサコフスキーはもともと、「ドネツク人民共和国」と名乗る組織の軍隊で戦っており、2022年2月にロシアがウクライナで拡大した戦争の初期に、この軍隊はロシア軍に吸収された。死亡報告のあった当時、ドネツク州のアウジーウカ─ポクロウシク軸に配置されているロシア陸軍第87独立狙撃連隊に所属していた。

エストニアのアナリスト、WarTranslatedが紹介・翻訳しているロシア側情報源によれば、リサコフスキーは第87連隊内で長距離ドローン偵察チームを自発的に結成した。彼のチームはこれまでに相当な数のウクライナ軍車両の位置を特定し、それには貴重な高機動ロケット砲システム(HIMARS)も含まれるという。

だが、有能なドローン操縦士としてのリサコフスキーの評判も、第87連隊の新たな指揮官にイーゴリ・プジクが就いたあとには彼を救うことにならなかった。プジクはリサコフスキーのドローンチームを解散させ、操縦士たちを歩兵小隊に配置転換したとされる。

最後の動画のなかで、リサコフスキーはプジクの無能さを非難するにとどまらず、彼の腐敗や反逆行為も告発し、プジクについて、西側当局者に情報を流しているというあるロシア人の「影響下にある」と主張している。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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