上記の分析がバリュエーションに与える影響は?
現在、約19ドルの株価で計算したPER(株価収益率)は実績利益ベースで約19倍となる。2024年度における予想利益ベースでは、収益は引き続き縮小傾向にあり、新製品ラインへの移行に伴う影響などから、この数字は75倍まで上昇する。では、2023年と2024年の利益を使ったインテルのPERにこれほどの差があるのはなぜだろうか? それは、投資家がインテルの状況が良くなる可能性に賭けているからではないだろうか。上述したシナリオが実現し、2023年から2026年にかけて売上高がおよそ1.23倍に成長し、利益率が2023年の8.5%から2023年にはおよそ20%へ改善すると仮定しよう。すると、調整後の純利益は、2023年の約44億ドル(約6190億円)から、2026年度には約125億ドル(約1兆7590億円)、EPS(1株当たりの純利益)に換算すると2.95ドルへと成長する可能性があることになる。
一度、状況が好転すれば、人々はもっと良くなる姿を想像するものだ。そうなれば、投資家はインテルに対してより好意的な見方をし始め、同社を再評価する可能性もあるだろう。例えば、インテルの投資家が、その回復シナリオに従ってPER20倍と評価した場合、その倍率を2026年度の予想EPSである2.95ドルに掛け合わせれば、2026年末には約60ドルの株価を達成できる。
このシナリオが実現するまでの時間軸はどれくらいだろうか? 本稿の例では2026年度を想定しているが、実際には2年でも4年でも大差はない。インテルが主要指標を改善し、事業転換が実現すれば、株価は大幅に上昇するだろう。インテルは輝かしい過去を持ち、成長市場において貴重なノウハウを持つ企業である。私たちの分析によれば、同社の勝利は目前に迫っている。
(forbes.com原文)