それによると、岸田政権による経済関連政策の評価について、100点満点で何点か聞いたところ、50~59点が18.7%でもっとも多く、次いで60~69点の16.8%、70~79点の13.4%となっている。及第点の60点以上を付けた企業の割合は41.5%となっている。
企業の規模別に見てみると、60点以上を付けたのは大企業で51.3%、中小企業で40.1%、うち小規模企業では37.4%と小規模になるほど評価が低くなっている。
小規模企業からは「岸田政権の元では大企業は大きな利益をあげたが、中小企業は逆に厳しくなっている」との声が寄せられており、企業規模によって評価が割れたかたちだ。
それぞれのコメントを見てみると、「支持率が低下し世論は「バラマキ」などの批判が多いが、企業業績は向上、株価上昇、賃上げ、企業に対する価格転嫁対策など、結果は出した」「日銀と連携をしたうえで、諸外国に比べてマイルドな物価高に収めるなど、経済政策面では相応の成果が得られていると思う」と高評価している一方で、「当初経済対策に期待していたが、結果的に定額減税などあまり経済効果が期待できないような政策しかできず、とても残念」「場当たり的な対応が多く、何をした政権なのか印象が薄く、経済効果も感じられなかった」と低評価も多く、平均49.3点という結果だった。
確かに、低迷していた株価は史上最高値を更新し、円安によって輸出企業は大きく業績を伸ばしただろう。ただ、それを下支えする企業にとっては、あまり旨味のあるものではなかったかもしれない。
全体的に見てみれば意外と評価は高かったのではないだろうか。一方でインボイス制度の導入や定額減税など事務処理が面倒になるわりには報われないという声もあり、次の政権を担う首相には、経済関連政策の効果があまり感じられなかった企業への支援を検討してほしい。
出典:帝国データバンク「岸田政権による経済政策への評価に関する企業アンケート」より