宇宙

2024.09.15 13:00

酸素の乏しい岩石惑星は「地球外微生物への近道」となるか

地球の数倍の質量を持つ岩石質の太陽系外惑星を描いた想像図(NASA Ames/JPL-Caltech/T. Pyle)

プレートテクトニクスは、知的生命体の進化に必須なのだろうか。
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ノアクによると、知的生命体を探す場合、最も可能性が高いのは、何らかの種類の炭素リサイクルが起きている惑星上だろう。これは、ある種のプレートテクトニクスである可能性が最も高い。大気の状態を非常に長期間にわたってほぼ安定に保つための何らかのメカニズムが必要だといえると、ノアクは説明している。

停滞蓋

だが、もし惑星が適切な大きさで、主星から適切な距離だけ離れている場合は、表層全体が固くて動かない単一の地殻に覆われた状態にある停滞蓋惑星にも生命が、知的生命体さえも存在する可能性を排除しないと、ノアクは述べている。

停滞蓋惑星が持つ単一のリソスフェア(岩石圏、地殻とマントル最上部の固い岩盤)プレートは通常、水平運動をほとんど示さない。地球のように、複数の構造プレートが定常的に水平運動を示す惑星とは対照的だ。

ノアクによると、プレートテクトニクスを支持する主な論拠は、知的生命体が実際に進化できるほど長期間にわたり大気の状態を安定に保つ必要があることで、これには30億年かかる可能性がある。もしかするとプレートテクトニクスなしで、十分安定な状態を十分長い間維持している惑星もあるかもしれないと思われる。だが、プレートテクトニクスがなければ、長期間にわたって生命存在可能な状態を保つことはできないだろうと思うと、ノアクは述べている。

代替的な生命存在指標の探索

酸素は、非常に特殊な光合成によって地球上に発生したものなので、別の代替的な生命存在指標(バイオシグネチャー)を探した方がよいだろうと、ノアクは指摘する。たとえ炭素ベースの生命でも、地球上で行ったのと同じことをする必要はないと、ノアクは述べている。
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地球外生命の検出には、次世代の技術が必要になる。

米カリフォルニア大学サンタクルーズ校の天体物理学者のピエロ・マドーは、天文学専門誌The Astrophysical Journalで2023年に発表した研究論文で、単純な生命が地球上に出現したのは、地球が生命存在可能な環境になってから最初の10億年以内のことだと指摘している。だが、太陽型の恒星のハビタブルゾーン(生命生存可能領域)内で生命を見つけるには、生命存在可能な系の総数の統計的分析、個々の惑星の気候に関する詳細な調査、化学的な生物指標の探索などが必要になると、マドーは記している。これらのことがすべて、次世代の大型地上観測施設・装置の開発に動機を与えていると、マドーは指摘している。

この開発には、さらに10年以上の時間を要する見通しだ。

結論

宇宙生物学的時間が刻々と経過する中、生命の進化を実際に助長するものは何かに関する多くの根本的な問題は、今なお答えがないままだ。惑星科学者は前進を続けているが、宇宙の生命発生の謎の解明はまだ始まったばかりだ。

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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