政治

2024.09.13 15:00

ハリスが討論会で「オーディオ・イヤリング」を着用というデマが拡散

9月10日に開催された米大統領選挙に向けたテレビ討論会に臨んだハリス副大統領(Photo by Win McNamee/Getty Images)

9月10日(現地時間)に開催された米大統領選挙に向けたハリス副大統領とトランプ前大統領によるテレビ討論会で、ハリスが優位に立つためにオーディオ・イヤリングを着用してたとする根拠のない噂がSNS上で拡散した。しかし、この噂の発信元である極右のパーソナリティは、ハリスが実際につけていたイヤリングとオーディオ・イヤリングの違いを考慮していない。

極右思想の活動家のローラ・ルーマーは、討論会の後にハリスの写真とテック系メディアのTom’s Guideによる記事のスクリーンショットを並べてX(旧ツイッター)に投稿した。この記事は、真珠のイヤリングの中にワイヤレスイヤホンが格納されたNova H1 Audio Earringsというデバイスについて書かれたもので、ルーマーのこの投稿は11日夜までに約400万回表示されていた。

トランプのシニアアドバイザーのジェイソン・ミラーは、オーディオ・イヤリングの開発元であるIcebach Sound Solutions(アイスバッハ・サウンド・ソリューションズ)が、自社のデバイスとハリスのイヤリングが「驚くほど似ていた」と語ったとする記事を拡散し、他の著名なアカウントもその投稿を拡散した。

ハリスは、ティファニーのサウスシーパールのイヤリングを着用していた模様だが、このイヤリングは2本のゴールドのロッドの間に真珠を配置している。しかし、Nova H1 Audio Earringsにはロッドがなく耳たぶを挟むクリップが特徴だ。

アイスバッハ幹部のマルテ・イヴェルセンは、同社がハリスが討論中にどのようなイヤリングを着用していたかについては知らないとフォーブスに語った。

ハリスは、討論会の翌日に行われた9.11の追悼式典でも同じイヤリングをしているのを目撃されており、先月ミシガン州ウェインで行われた集会や、7月に行われた全米体育協会(NCAA)の優勝祝賀会のイベントでもこのイヤリングを着けていた模様だ。

トランプはFOXニュースのインタビューで、ハリスが討論会の質問を事前に入手していたと非難し、討論会を主催したABCニュースが「不正なショーを行った」と根拠を示さずに主張した。討論会のルールには「いかなるトピックや質問も選挙陣営や候補者と事前に共有されることはない」と明記されていた。

10日の討論会はハリスの勝利だったという見方が優勢で、今回の討論会の後に選挙の賭けサイトのオッズはハリスに大きく傾き、選挙ベッティング・オッズ・トラッカーによると大統領選でハリスが勝利する確率は51.8%とされている。これに対し、トランプが勝利する確率は46.9%とされている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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