ジョン・ヒーリー英国防相は、ウクライナ軍にクルスク州の一部を支配下に置かれたことで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は「プレッシャーにさらされている」と指摘している。
恥をかかされたプーチンはロシア軍に対し、クルスク州でウクライナ軍に占領された地域を10月1日までに奪還するよう命じた。ロシア軍はそれに忠実に従い、9月11日、ウクライナ側支配地域の西の端で反撃に乗り出した。フィンランドのアナリスト、ヨニ・アスコラは「クルスク州からウクライナ軍を駆逐するためのロシア軍の反攻が本格的に始まった」とソーシャルメディアに書いている。
ロシア軍は州内を流れるセイム川のすぐ南にあり、ウクライナとの国境から北へ12kmほど離れたスナゴスチ村を攻撃した。主力はロシア軍第51親衛空挺連隊の戦車やその他の装甲車両少なくとも8両だった。反撃開始から数時間後の時点では、村の支配がなお争われている。ウクライナの調査分析グループ、ディープステート(DeepState)は「クルスク州におけるわが軍集団の左翼の状況は悪化した」と報告している。
Sudzha area.
The RuAF are attacking the AFU positions in Snagost`
51.31167, 34.9027 pic.twitter.com/Jnxfm8AyRk — Сливочный каприз (@creamy_caprice) September 10, 2024
ロシア軍がどのようにしてスナゴスチ村に進んできたのかはよくわからない。ロシア側の支配地域からこの村へ入るルートは2つある。北西からセイム川を渡るルートと、北にあるコレネボ町から地上で南下するルートだ。今回使った可能性がより高いのは後者だろう。というのも、ウクライナ軍はこれまでに、クルスク州でセイム川に架かっていた永久橋をすべて破壊し、ロシア軍が設置した浮橋(ポンツーン・ブリッジ)もほとんど、あるいはすべて破壊しているからだ。
ウクライナにとっては、慎重な対応を要する時期に、慎重な対応を要する状況が新たに生まれたかたちになる。ウクライナ軍参謀本部は、クルスク州への越境地上攻撃を命じるという大きな危険を冒した。折しもウクライナ東部ドネツク州で、ロシア軍の強力な第2諸兵科連合軍が、複数の重要な補給線にまたがるウクライナ軍の守備拠点、ポクロウシク市に向けて着実に進軍してきているさなかにだ。