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2024.09.16 08:00

米陸軍特殊部隊が実践する「ハッキング+物理戦闘」の訓練

Getty Images

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グリーンベレーの通称で知られる米陸軍特殊部隊の巧妙さと気概を過小評価してしまうと、命取りになり得るのはよく知られている。現代の戦場では、サイバー戦争が重要な一部を占めるようになったが、状況は変わっていない。
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証拠が必要であれば、2024年春にスウェーデンで行われた演習、スイフト・レスポンス(Swift Response)2024を見ると良い。特殊部隊の工作員たちは、戦場で優位に立つため、最新の破壊的サイバー戦術を採用した。整然と作戦に従事するグリーンベレーのハッカーたちの標的にされた相手は、すぐに面倒な事態に陥る。

アルファ作戦分遣隊(Operation Detachment Alfa:ODA/Aチーム)のある兵士は、作戦についてこう説明している。「標的から発信されるWi-Fiネットワークへのアクセスを得て、その場所から行われる活動を、一定期間にわたって監視する。(中略)こうした『もう一つの目』を得ることで、我々の目的を、より明確に描きやすくなる」

特殊作戦部隊の5つの真実

ティム・ビアリー一等軍曹は、米陸軍のウェブサイトで、特殊作戦部隊の「5つの真実」について紹介している。1991年にジョン・コリンズ陸軍(退役)大佐が明確にした原則だ。

1. 人間はハードウェアより重要
2. 量より質
3. 特殊作戦部隊は大量生産できない
4. 有能な特殊作戦部隊は、緊急事態が発生してからつくることはできない
5. ほとんどの特殊作戦は、特殊作戦部隊外からの支援を必要とする
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これらの真実は決して陳腐化しておらず、進化している。このことは、1番目の真実を見れば明白だ。人間が最も重要なことにはもちろん変わりはないが、5つの真実が書かれてから33年が経つなかで、ハードウェアは見違えるほど変化した。

ビアリー一等軍曹は、「サイバー空間は、戦場の重要な一部になった」と述べている。「そして瞬く間に、戦場での優位性において、物理的な空間と同じくらい不可欠な存在になった」

スイフト・レスポンス2024演習で、敵の建物をハッキング

スイフト・レスポンス2024演習では、特殊部隊のAチームが標的の建物を特定した。チームはその後、建物のネットワークのWi-Fiパスワードをハッキングし、建物内のデバイスの弱点を突いた。

「これによりAチームは、建物内の監視カメラ、ドアロック、そのほかのセキュリティシステムを操作できるようになった」とビアリー一等軍曹は説明する。

攻撃側にとっては、重要な情報を集めるだけでなく、標的の環境をコントロールできる能力がとてつもなく有利であることは、孫子レベルの天才的な軍略家でなくても理解できるだろう。この演習では、あるチームが建物のハッキングと操作を担当し、別のチームが物理的な潜入作戦を担当した。

後者のチームは、パラシュートで自由降下した後、合わせて7マイル(約11キロメートル)以上を進んで標的に到達しなければならなかったが、監視カメラのない無施錠状態のドアから、建物に入ることができた。「そして、信号妨害装置を設置し、攻撃の痕跡を消し去ってから建物を出た」とビアリー一等軍曹は述べている。

サイバーチームは作戦全体を監視し、潜入チームの行動をリアルタイムで確認していた。気付かれることなく標的の環境をコントロールする能力は、まさにゲームチェンジャーと言える。

forbes.com 原文

翻訳=米井香織/ガリレオ

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