2年以上前に設立されたこのスタートアップは、ブロックチェーン上でカーボンクレジットを販売して取引記録を管理し、カーボンを裏付けとするトークンの「ゴッディス・ネーチャー・トークン(GNT)」を立ち上げようとしていた。しかし、その試みは頓挫し、投資家に密かに返金を行っていたことがフォーブスの調査で判明した。
先月、同社から連絡を受けた関係者によると、フローカーボンは、市場の状況やカーボン登録機関からの反発を理由に、資金を保有し続けるのではなく返金することを決めたと伝えたという。
カーボンクレジットは、二酸化炭素(CO2)やメタンなどの温室効果ガスの排出削減量を企業や国家間で売買可能な形にクレジット(権利)化したもので、その取引をブロックチェーン上で行うことで、市場を幅広くアクセス可能で透明なものにし、資金を気候変動と戦うプロジェクトに直接投資できるようにすることが期待されていた。
フローカーボンは、この分野の唯一の企業ではなかったが、ニューマンの知名度と著名投資家の支援によって注目を集めていた。
「アダムとその妻のレベッカのビジョンが、この会社のストーリーの鍵となっており、会社設立の原動力となった」と、アンドリーセン・ホロウィッツのゼネラルパートナーのアリアナ・シンプソンは、今回のシリーズAラウンドを主導した際に述べていた。フローカーボンの他の投資家には、ゼネラルパカタリストやサムスンネクスト、ハリウッドのプロデューサーのサム・レビンソン夫妻などが含まれていた。
同社は、少なくとも3800万ドル(約54億円)相当のトークンを販売していたが、購入者に一般投資家が含まれていたかどうかは不明だ。ベンチャーキャピタルのFifth Wallは400万ドル(約5億7000万円)相当を購入したが、返金を受けたかどうかの質問には答えなかった。フローカーボンは今年初め、プレセール参加者に2万5000ドル(約360万円)の最低購入額を求めていたと語ったが、「多くの購入はそれ以下だった」と認めていた。
カーボンクレジットをトークン化するスタートアップの多くは、暗号資産への注目がピークを迎えた時期に誕生した。これらの企業は、民間主導のボランタリー・カーボンクレジットをトークン化し、カーボン市場の拡大に貢献しようとしている。