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欧州

2024.09.12 10:00

クルスク州のロシア軍、架橋がますます困難に 砲爆撃に加えドローンも食らう

ドローンは川の上空を常時監視できるため、敵が架橋作戦に着手するとすぐに発見することもできる。ドローンの命中精度がさらに向上し、搭載可能な弾頭が大型化し、航続時間や飛行距離が伸びるにつれて、対架橋作戦でのドローンの有効性はますます高まるだろう。

架橋作戦を遂行中、敵から受ける攻撃に対する最も一般的な防御方法は、煙幕などの隠蔽物の使用である。だが、最近のドローンは高度なセンサーを搭載するようになっており、そうしたセンサーの多くは隠蔽物を透過できる。たとえば、赤外線カメラは煙幕や霧などに影響されないので、周囲の川の水と温度が違う橋をたやすく検出できる。

また、最新のセンサーは無線周波数センシングで軍用車両からの無線信号を追跡するため、ドローンは架橋部隊が川に近づいてくるところをピンポイントで攻撃することも可能になっている。

ロシア軍の対ドローンシステムは現状、架橋部隊をあまり防護できていない。ロシア軍は、ドローンによる制御信号の受信を妨害する電子戦システムに依存している。一方、ウクライナ側は民間部門の力を借りて、目標指定のために高度なコンピュータービジョン・アルゴリズムを搭載した自律性の高いドローンを開発している。

川自体は識別が容易なので、プログラムした飛行経路に沿ってドローンを飛ばすことができる。そして、橋は水の流れがある川と明確に区別されるため、ドローンはアルゴリズムで簡単に探知でき、人間の介入は最小限で済む。

ウクライナ軍のドローンがロシアの橋にもたらす脅威は、この戦争の戦域全体に重大な影響を及ぼす。短期的には、ロシア軍は破壊された橋を仮設の橋で代用できなければ、重要な補給線を失う危険がある。それを失えば、ロシア軍の部隊、とくにウクライナ南部に配置されている部隊は、不可欠な装備、とりわけ大砲が不足することになるだろう。長期的には、川への架橋ができなければ戦場の機動性が制限され、攻勢作戦が著しく制限される。

地雷原のような障害物はこの戦争に大きな影響を与えてきたが、天然の障害物、なかでも川はさらに大きな困難をもたらす。ロシア軍もウクライナ軍も迅速に架橋する能力をもっているが、ドローンをはじめとする先端技術が対架橋作戦でも用いられるようになったことで、橋を架けたとしても、戦闘が続く状況でそれを保持することは不可能に近くなっている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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