野島:でもそれがぼーっとすることなんじゃないすかね。実際手を動かさずに考えてるっていう状況ですよね。暇な時にとにかく壁とか空とかずっと見てると、ぼーっとしてても頭が働くじゃないですか。そういう時にぽっと何かが出てくるんですよ。
髙比良:いいですね。僕は28歳ぐらいでぼーっとできないことに気づいたんですけど、お笑いのネタをいつ思い付いてるかなと思った時に、シャワーを浴びてる時だったんですよ。シャワーの中で喋ってメモ取ったり録音したりしてることが多かったんです。両手が塞がっているシャワーの時ぐらい、自分からすべてを奪わないとだめなんだって思いました。
シャラ:私もシャワーとトイレです。何もしない時間なので。
野島:他に何もできない状況じゃないと多分思いつかないですよね。
髙比良:でも風呂もトイレも僕スマホ持ち込んじゃうから全然駄目で。本当にシャワーを浴びる時、そこに一撃ですよ。その1分だけに気合入れてます。
野島:でも僕は(アイデアを)結構忘れちゃうことが多くて、メモ大事だなと思います。
シャラ:自分は、メモをして満足してるんじゃないかって思うこともありますけどね。
野島:その時は1回見返して、そのメモがしょうもなかったらまた上書きしていけばいいんじゃないですかね。
シャラ:なるほど、いいアドバイスありがとうございます。
なぜか「水」しかできない
髙比良:30年後の自分に向けて、代表作があったらいいなって仰ってましたね。野島:はい。
髙比良:でもそれって別に監督をやるわけではなくて、視覚効果という形でということですよね?『ゴジラ-1.0』は代表作と言えるんじゃないですか?
野島:でもあくまでいちスタッフなので、自分で舵を切った感はなくて。監督とは言わずとも、指揮をとるというか。結構年齢いかないとできないんですけど。
シャラ:今後もVFXでやっていきたいという感じなんですか?
野島:VFX関連とか映画関連ですかね。
髙比良:そういうのに対してプランとかはあるんですか?
野島:今のところあんまりないです。
シャラ:目の前にある仕事を全力でこなすということですね。
野島:それこそ成功と一緒で、決めちゃうと逆にかなわなくなるかもしれないので。
シャラ:VFX自体の内容なんですけど、野島さんは水がお得意で、水がすごいらしいんですよね。
髙比良:水の合成ってことですよね。それこそゴジラの波の動きをつくられてたりとか。
シャラ:火の人とかもいるんですか?VFXの世界には。
野島:1個だけ得意って人はあんまりいないですね。
シャラ:そうなんだ。だからプロフィールにそこが特殊だって書いてあったんですね。しかも水が一番難しいらしいです。
野島:そもそもCGの世界だとエフェクトって言われるやつは、破壊、火や爆発とかの煙と、水っていう3つで、普通のエフェクトアーテストはみんな全部できるんですよ。でも僕なぜか水しかできないっていう。
髙比良:逆に他は苦手なんですか?