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消費経済:小売業とそれを改革する人々について執筆

Carolyn Cole/Los Angeles Times via Getty Images


暗闇で自転車を漕ぐことで有名なフィットネス・チェーン「SoulCycle」は7月30日、同社の新規株式公開をアナウンスした。このニュースはメディアの格好のネタにされ、コメディ・セントラルの番組も、そのカルトさやエリート意識を皮肉った。

ニューヨークタイムズ紙ですら、同社のトライベッカ支店がリニューアルのために閉店した時に、ダウンタウンの金持ち連中の間で落こったパニックの話を皮肉たっぷりに語ったほどだ。

「SoulCycle」は薄暗いロウソクを灯した部屋で40分自転車を漕ぐのに最低30ドルの料金を請求し、タンクトップを52ドルで販売する。IPO申請書類にはそのニューエイジ的な企業カルチャーに関する説明が、長々と記述されている。

しかし、同社の特異なビジネスが顧客の支持を得ていることは確かだ。全米38ヶ所に存在するスタジオは昨年、1億1200万ドル(約139億円)の売上を計上。2500万ドル(約31億円)の利益を記録した。2012年の売上高、3620万ドル(約45億円)から、年次成長率は76%を記録している。

売上の97%はニューヨークやロサンゼルス、サンフランシスコの店舗だが、同社は今後数年で10から15のスタジオをオープン予定だ。全米に広がる特化型フィットネス(boutique fitness)ブームが、その成長を牽引すると見られている。

経営コンサルティング企業、カート・サーモン社の調査によると、米国のフィットネス業界の市場規模は220億ドル(約2兆7262億円)。ここ数年で特化型フィットネス市場は従来のジム市場を凌駕している。SoulCycleと類似した新興勢力、「The Bar Method」や「Flywheel」といったチェーンの売上は前年比で平均8.5%上昇している。それに対し、従来のジムの売上は2%しか上昇していないのだ。

カート・サーモンの未公開株担当のブルース・コーエンは「高学歴で平均所得の高い層向けに、このビジネスは確実な成長が見込まれる」と述べている。同社のデータは、SoulCycleの会員のリピート率が非常に高く、従来のジムよりもずっと多くの金を使うことを示している。

SoulCycleの会員らはソーシャルメディアで盛んに宣伝を行うことでも知られる。98ドルのオリジナルのレギンスを着用した写真をInstagramなどに投稿するのだ。テレビ司会者のオプラ・ウィンフリーは、彼女の60歳の誕生日をSoulCycleのウエストハリウッド店で過ごしている。

今回のIPOでSoulCycleは1億ドル(124億円)の資金を調達すると予測されている。ライバル企業のFlywheel社も昨年、1億800万ドル(約134億円)の資金調達を行っている。

Flywheelの出資者リストにはCoachの会長、ルー・フランクフォートやTheoryのアンドリュー・ローゼン、Intermixのカジャク・ケルジアンらが名を連ねている。

ファッション業界人らはみんな、このニューエイジの匂いがするビジネスモデルの可能性に気づいているのだ。Flywheel社は92ドルのヨガパンツの販売で、時価総額90億ドル(約1兆1200億円)の規模にまで上り詰めた。

SoulCycleも同社と全く同じ顧客層を相手にしており、そのビジネス拡大策も決して無理なプランとは思えない。

文=ローレン・ゲンスラー(Forbes)/ 翻訳編集=上田裕資

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