サムスンSDIは9月10日、液晶ディスプレイ(LCD)画面やカメラレンズなどに使用される偏光フィルムの製造および販売事業を手放すと発表した。同社は、中国に置くこの部門の子会社を含めて、中国企業である無錫興信(ウシ·フンシン)光電材料有限公司に売却する。
サムスンSDIは、この売却によって偏光フィルム事業から撤退し、半導体やOLEDおよび電気自動車(EV)バッテリー向け材料の生産に専念すると述べている。電子材料事業は、2024年上半期の同社の売上高の9兆6000億ウォンの12%を占めており、残りはEV向けバッテリーやデータセンター、モバイル機器向けのバッテリー製造からの収益とされている。
この売却は、韓国のLCDディスプレイパネルメーカーが、政府の補助金を受けて安価な製品を送り出す中国の競合他社に市場シェアを奪われている中での動きだ。この激しい競争により、韓国の主要プレイヤーはLCD事業の一部を中国の競合他社に手放すことを余儀なくされている。
韓国のLG化学も2023年に偏光フィルム事業を約1兆1000億ウォンで、中国企業に売却した。SKグループの化学材料部門のSKCも、LCDディスプレイの製造工程の一部であるフィルム加工事業を2022年にソウルのプライベート・エクイティ・ファームのHahn & Co.に1兆6000億ウォンで売却している。
(forbes.com 原文)