「ユーザーの願い」を実現したApple Watch、睡眠時無呼吸症候群も計測
Apple Watch Series 10は、奇しくもアップルが2014年に初めてApple Watchを発表してから「10年」の節目に誕生する。筆者は発表前、アップルと有名ブランドによる大きなコラボなどが発表されるのだろうか? とあれこれ想い巡らせていた。ところがフタを開けてみたら、Series 10の魅力は「ユーザー思いの着実な進化」だった。1つは画面が大きくなり、視認性が高まる。アップルが開発し、Apple Watchに初めて搭載する広視野角のOLEDディスプレイ(有機ELディスプレイの搭載自体は新しくない)のおかげで、画面のすみずみまで明るく色鮮やかで、表示される情報の先鋭感が落ちない。ケースのサイズは42ミリと46ミリの2種類。大きい方の46ミリのApple Watch Series 10の画面サイズは、画面の表示領域が49ミリケースのApple Watch Ultraシリーズよりも広い。
本体ケースが薄くなり、ウォッチが手首にぴたっとフィットする感覚が向上した。アルミニウムのケースの方がわずかに軽量だが、チタニウムケースの外観はきらびやかさが際立っている。
もう1つバッテリーを充電する際の使用感がさらに改善されそうだ。専用の充電器による高速チャージは、バッテリー残量がゼロの状態から約30分間で80%まで回復するという。アップル独自設計によるSiP(チップセット)である最新のApple S10チップは、多彩なApple Watch Series 10の機能を軽やかにさばきつつ、通常使用時で最大18時間の連続駆動を実現する中核的な役割を担っている。
さらにApple Watch Series 10はiOS 18のヘルスケアアプリと連携して「睡眠時無呼吸症候群」の計測ができるようになる。睡眠時無呼吸症候群は、日本人の6人に1人が潜在的に抱える睡眠疾患の1つと言われる。眠っている間に呼吸のリズムが崩れて、無呼吸状態が続くなどの異変が生じるため、本人が自覚することが難しい。睡眠時無呼吸症候群が重症化すると、心臓や脳、血管など身体の器官に悪い影響を及ぼすだけでなく、日常のパフォーマンス低下をまねく原因にもなる。