中国の動向を注視している多くの専門家は、中国が低迷する国内経済を押し上げるために米国やその他の国々への輸出を促進すると予測していたが、現実にそうした事態が起きていることがデータで裏付けられた。
ロサンゼルス港が7月に扱った中国からの輸入の額は、前月から27.88%増加。全米における中国からの輸入額が前月比32億6000万ドルの微増にとどまる中で、同港では24億6000万ドルの増額となった。
輸入額が最も増えた品目はというと、ノートパソコン(3億ドル増)と、電気自動車(EV)などに使用されているリチウムイオン電池(2億ドル以上増)だ。
ロサンゼルス港の7月の貿易額は300億5000万ドル。ラレド港(テキサス州)を抜いて約2年ぶりに2回目の全米1位となった。
ロサンゼルス港の7月の貿易額は前月比13.27%増、前年同月比23.69%増と急増した。参考までに、米国全体の7月の貿易額は前月比3.83%増、前年同月比9.92%増だ。
同港の7月の対中貿易は前月から25億7000万ドル増え、この増加幅は国別で最も大きかった。日本とベトナムとの貿易は2億ドル以上増加し、韓国、台湾、カンボジアが1億ドル以上増えた。
これまでの単月での貿易最高額は、ラレド港が5月に記録した294億2000万ドルだ。同港は今年これまでの貿易総額でトップを維持している。
ロサンゼルス港とラレド港は、いずれも米国の最も重要な貿易相手国である中国とメキシコの主要なゲートウェイだ。今年、中国はロサンゼルス港の貿易総額の34%を占め、メキシコはラレド港の貿易総額の98%超を占めている。
7月に限定すると、ロサンゼルス港の貿易額に占める中国の割合は39%だった。
ドナルド・トランプ前大統領は中国製品に広範かつ厳しい関税を課し、米中貿易戦争が勃発した。その後、バイデン大統領もこれらの関税を維持し、拡大すらした。だが、中国との貿易は減っておらず、米国の対中貿易赤字も減少していない。どちらも増加している。
貿易戦争により、米国の最大の輸入相手国は中国からメキシコに変わり、ベトナムや日本、台湾など多くのアジア諸国の対米貿易の大幅増につながっている。
(forbes.com 原文)