「ご連絡させていただきました」の意味と背景
「ご連絡させていただきました」という表現は、ビジネスシーンでよく使用されるフレーズです。この言葉は、相手への敬意を表し、自分が行動を取る際にその行動が相手の許可を得ていることを示す謙譲語です。特に「させていただきました」という部分は、相手の許可を得て行動したことを強調しており、謙虚で丁寧な印象を与えます。
正しい敬語かどうか
「ご連絡させていただきました」は正しい敬語ではありますが、注意点があります。この表現が正しく使われるのは、相手の許可を得た行動である場合です。文化庁の「敬語の指針」によると、「させていただく」という表現は、以下の2つの条件を満たすときに適切です。
1. 相手の許可を得ていること
2. その行動に対して恩恵を受ける状況であること
したがって、「ご連絡させていただきました」は、相手から連絡の許可を受けた状況であれば、正しい敬語として使用できます。しかし、相手の許可や同意が得られていない場合や、恩恵を強調する必要がない状況では、「ご連絡いたしました」という表現がより適切です。
「ご連絡させていただきました」の正しい使い方とは?
「させていただく」の意味と使用条件
「させていただく」は、相手からの許可を得て、その行動を自分が行う際に使う表現です。たとえば、相手から「後で連絡をください」と依頼された場合に、「ご連絡させていただきました」と伝えるのは適切です。
ただし、相手の許可が前提でない行動に対して「させていただきました」を使うと、過度に丁寧すぎて不自然に感じられることがあります。ビジネスメールでは、特に無駄に丁寧な表現を避けたい場合に「ご連絡いたしました」を選択することが推奨されます。
冗長な表現に注意
「ご連絡させていただきました」は丁寧すぎる表現と見なされることがあります。特に、相手が簡潔でストレートな言葉を好む場合や、シンプルなコミュニケーションが求められる場面では、「ご連絡いたしました」の方が効果的です。過度に丁寧な表現は、時に相手にとって分かりにくく感じられることがあるため、状況に応じた表現を選ぶことが重要です。
「ご連絡させていただきました」の言い換え表現
1. 「ご連絡いたしました」
最もシンプルかつ広く使える表現です。「ご連絡いたしました」は、どんなビジネスシーンでも違和感なく使えるため、特に目上の人や取引先にも適しています。無駄な丁寧さを省き、スムーズなやり取りを促進するための表現です。
例文:「昨日、会議の日程変更についてご連絡いたしました。」
2. 「ご連絡差し上げました」
「差し上げる」は謙譲語で、相手に対する敬意をより強調したい場合に使用されます。ビジネスシーンで特に丁寧な表現を使いたいときや、重要な相手に対する連絡には最適です。
例文:「本日、会議の内容についてご連絡差し上げました。」
3. 「ご報告いたしました」
進捗状況や結果を伝える際には「ご報告いたしました」という表現が適しています。「ご連絡」よりも具体的な報告であることを明確にするため、内容が重要である場合にはこの表現を使うとよいでしょう。
例文:「先日のプロジェクト進捗についてご報告いたしました。」
4. 「お知らせいたしました」
ビジネスの変更点や新しい情報を伝える際に、「お知らせいたしました」は適切です。特に、公式な通知や案内の場合に使われる表現です。
例文:「次回のスケジュールについてお知らせいたしました。」
「ご連絡させていただきました」を使う際の注意点
許可を得た行為かどうかを確認する
「ご連絡させていただきました」という表現は、相手の許可を得た行動に対して使うべき表現です。もし、許可を得ていない場合にこのフレーズを使うと、不自然で過度に謙遜した印象を与えることがあります。そのため、相手の許可を求めない状況では「ご連絡いたしました」がより適切な選択となります。
「いたしました」と「させていただきました」の使い分け
「ご連絡いたしました」は、より汎用的で、シンプルかつ迅速に伝えたい時に適しています。相手の許可が不要な場合や、ビジネスの効率を重視する場面では、「いたしました」を使う方が自然です。過度な謙譲表現は避け、シンプルで明確なコミュニケーションを心掛けましょう。
「ご連絡させていただきました」を使ったビジネスメールの例
会議の日程変更の連絡
件名: 【会議日程変更のお知らせ】
〇〇様
いつもお世話になっております。△△株式会社の□□でございます。
次回の会議の日程についてご確認いただきたく、日程変更のご連絡をさせていただきました。以下の日程にてご対応いただけますでしょうか。
日時: 10月5日 14:00〜16:00
ご確認のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
プロジェクト進捗の報告
件名: 【プロジェクト進捗状況のご報告】
〇〇様
お世話になっております。△△株式会社の□□です。
本日は、進行中のプロジェクトの進捗についてご報告いたします。現在、計画通り進んでおり、今週中に完了予定です。
何かご質問がございましたら、いつでもご連絡ください。
敬具
まとめ:「ご連絡させていただきました」は適切な状況で使うべき
「ご連絡させていただきました」は、相手の許可を前提とした行動に対して使う正しい敬語ですが、適切な場面で使用する必要があります。許可を得ていない場合や、形式的な連絡には「ご連絡いたしました」を選ぶ方が良いでしょう。ビジネスシーンでは、適切な敬語を使い分けて、スムーズなコミュニケーションを心掛けることが大切です。