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2024.09.13 14:15

映画「ヒットマン」 オトリ捜査の殺し屋役をモデルにした異色のラブコメ

最初は乗り気ではなかったゲイリーだったが、いざ「殺し屋」役を演じ始めると、自分には他の人間に成り切る才能があることや、そのことを楽しんでいることに気づく。任された仕事は、ゲイリーが演じるニセの殺し屋が殺人依頼を受け、その場で報酬金の取引が成立すると、警察が踏み込んで相手を逮捕するというものだった。

依頼人を捕まえるために、さまざまなプロの殺し屋に成り切り、予想外の才能を発揮するゲイリーだったが、大学で心理学を教える彼にとっては、人間の意識や行動を実地に確かめることのできるこの役柄は見事に嵌り、警察の逮捕実績にもかなり貢献することになる。

そんなとき、マディソン(アドリア・アルホナ)という女性から、夫を殺して欲しいという依頼が届く。警察からの資料に目を通しながらプロフィールを調べるうちに、ゲイリーは美しく、犯罪歴もない彼女に心が引き寄せられていく。

ゲイリーは、マディソンに実際に会い、その夫に対する殺人依頼を聞いているうち、彼女のままならない境遇に同情して、差し出された礼金を突き返し、「この金で家を出て、新しい人生を手に入れろ」と見逃してしまう。そのとき、ゲイリーは何かあったらと自分の連絡先も彼女に渡していた。
ゲイリーはマディソン(アドリア・アルホナ)には、自分は本物の殺し屋だと思わせていく (c)2023 ALL THE HITS, LLC ALL RIGHTS RESERVED

結果として依頼人(犯人)を逃がしてしまったゲイリーだったが、その後も「殺し屋」役を続け、警察の囮捜査にも協力していた。そんなある日、マディソンからゲイリーにメッセージが入る。

マディソンはゲイリーに諭されたことで、新しい人生を歩み出していた。かねてから好意を抱いていたこともあり、再会すると2人の距離はみるみる縮まっていった。とはいえ、実は「殺し屋」ではない自分の本当の姿を、ゲイリーは彼女に言い出しかねていた。そんなとき、マディソンの夫が何者かに殺されたとの一報が入るのだったが……。
ゲイリーとマディソンは再会すると、急速に距離を縮めていく (c)2023 ALL THE HITS, LLC ALL RIGHTS RESERVED
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文=稲垣伸寿

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