経営・戦略

2024.09.11 13:00

マレーシアのコンビニ大手「99 Speedmart」創業者、IPOでビリオネアに

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マレーシア最大の小売りチェーン、99 Speedmart(99スピードマート)の親会社は現地時間9月9日、マレーシア証券取引所で新規株式公開(IPO)を行い、株価は13.9%高の1.88リンギット(約59円)をつけた。この成功したIPOによって、同社の創業者で大株主のリー・ティアム・ワーは、推定保有資産34億ドル(約4865億円)でビリオネアの仲間入りを果たした。

同チェーンの親会社にあたる99スピードマート・リテール・ホールディングスは、この上場で、過去7年間のマレーシア市場で最大の23億6000万リンギット(約768億円)を調達した。「この上場は、当社が株式市場に上場し、成長の野望を実現するための重要な節目となった」と、同社のCEOを務めるリーは声明で語った。

99スピードマートは、上場で得た資金の大部分を小売ネットワークの拡大や流通センターの建設、配送トラックの増強に充てる計画だ。同社は、今後の3年間でマレーシアの北部および東部地域を中心に年間250店舗の新規オープンを目指し、2025年末までに3000店舗の開設を計画している。

99スピードマートは先週、第2四半期の純利益が前年同期比66%増の1億2600万リンギット(約42億円)に達し、売上高が8%増の24億リンギット(約792億円)を記録したと発表した。同社の成長は、新たな店舗の開設とEコマースプラットフォームに牽引された。

現在60歳のリーは、1987年に故郷の港町クランで初めてのミニマーケット、パサ・ラヤ・ヒアプ・ホエを開業し、5年後にその店を売却して、低所得者層を対象にしたチェーンストアのパサ・ミニ99を立ち上げた。そして、2000年までに、成長を続けていた店舗ネットワークを99スピードマートのブランドに統合し、現在の店舗数は2600店舗以上、雇用者数は約2万2500人と、マレーシア国内で競合するセブンイレブンを凌駕している。

リーはまた、マレーシアとシンガポールにおけるバーガーキングのフランチャイズ権を取得し、シンガポールにスーパーマーケットチェーンのUスターズを設立するなど、小売業のポートフォリオを拡大している。

彼はまた、2023年にマレーシアのアライアンス銀行株の5%を取得するなど、銀行業界への投資も行い、事業を多角化させている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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