「やっぱりお笑いをやりたい」渡辺直美、人生3度目の大きな挑戦

ニューヨーク在住3年目の決意

「全米ツアーが終わって、この春ごろから『お笑いをやりたい』という思いがあらためてすごくでかくなって。お笑いがやりたくてこの世界に入ったので、アメリカでもコント番組とかコメディ映画に出たいんです」

帰国中の超多忙なスケジュールのなか、新宿の吉本興業で取材に応じた渡辺はそう明かす。マルチに活躍してきた渡辺の現在地はここにあるようだ。

07年にピン芸人としてデビューし、ビヨンセのものまねで大ブレイクした渡辺。順風満帆な20代を過ごしたものの、33歳でニューヨークへの移住を決めたのは「日本での恵まれた環境に実力が追いつかなかったから」。「自分のことを知らない人ばかりの土地で“実力”を試したい」との思いが募りレギュラー番組数本を降板して、子どものころからの憧れの街での2度目の挑戦に踏み切った。

その実力はまず、ファッション分野で発揮されることとなる。英語が満足に話せるわけではなかったため、言語の壁が低いモデルなどの仕事を中心に着実にキャリアを積み重ね、23年3月にはマイアミで行われた「ボス(BOSS)」のファッションショーでランウェイデビューを果たした。ただ、その間もお笑いへの情熱をもち続け、22年3月にスタートした全編英語のポッドキャスト番組「NAOMI TAKES AMERICA」から、冒頭の全米トークライブツアーへとつなげた。

「英語力に不安はあったけど、『日本語が第1言語なんだから、英語が完璧な日なんて来るわけない。今の変な英語をしゃべっちゃう自分も自分だから、この今の自分でできることをやろう』って思って」

ツアーは、お笑い芸人としてのアイデンティティを再確認する機会になった。「今年は本格的な“しゃべるお笑い”にフォーカスしていきます。英語が完璧でなくても、熱量と人柄が伝われば世界で活躍できると信じていますが、英語の勉強にも力を入れています」。

24年5月にはオフィシャルファンクラブ「NAOMICITY」を開設。10月に日本で行う初のファンミーティングはチケットが即完し、グローバルに活躍しつつ日本にも多くのファンを抱えていることがわかる。「日本とアメリカでは“笑わせ方”や話すときの“間”も違うけど、笑いのツボは似ている。これを学んで、世界中の人が笑えるコメディをつくるのが1番の夢ですね」

人を笑わせたいという思いで前進し続ける渡辺の、“世界的なコメディアン”への挑戦は、幕を開けたばかりだ。

わたなべ・なおみ◎1987年台湾生まれ、茨城県育ち。2007年にデビューし、お笑い芸人、俳優、ファッションモデルなど幅広く活動する。 14年にはアパレルブランド「PUNYUS」が始動。21年4月からは活動の本拠地をニューヨークへ移す。23年には全米7都市を回るライブツアーを開催。24年5月にはオフィシャルファンクラブ「NAOMI CITY」を開設。


第1回 渡辺直美 うにょファンミ ~ NAOMI CITY ~
10月28日(月)東京ドームシティホール
17:30開場/18:30開演/20:00終演予定

※劇場チケット完売、オンラインチケットは販売中

<オンラインチケット概要>
配信日時:10月28日(月)18:30~20:00
販売期間:8月30日(金)12:00~10月30日(水)12:00
見逃し視聴期間:配信終了後~10月30日(水)18:30 
【チケット料金】3000円

文=堤 美佳子 編集=田中友梨 写真=小田駿一

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