“現金大国”アメリカ 「モバイル決済」利用率はまだ14%

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オンライン決済が普及を遂げる中、現金や小切手を用いた支払いはもはや過去の遺物だと考える人も多いかもしれない。しかし、最新のデータによると米国人の決済に関する行動はまだまだ保守的であることが分かった。

「現金と小切手が依然としてレジでは支配的だ」と調査会社のBlackhawk Network社は結論づけている。同社は今年4月に1000名の米国人を対象にアンケートを実施。その結果、93%は現金での支払いを行っていると回答。小切手とデビットカードによる支払いが68%で、それに続いた。

また、62%の回答者はPayPalをここ1年で使用しているが、Apple PayやGoogle Wallet等のモバイル決算を利用した経験がある者は全体の14%に過ぎない。しかし、その数は今後増えていく見込みだ。回答者の68%がオンライン、またはモバイルでの支払いを今年は昨年よりも多く行うだろうと答えた。

利便性の点で言うと、小切手が不便な支払い方法だと答えたのは35%。しかし、それを上回る38%の回答者が、BitCoinが不便な通貨だと回答した。最も利便性の高い決済方法としては現金がトップの93%。クレジットカードがそれに次いで92%だった。

前述の通りモバイル決済の利用者は14%だが、全体の25%がスマホ上に何らかのモバイルウォレットを持っている。多くの人々はまだ、それを実際には使っていないのだ。この数字はスターバックスが昨年10月に行った調査結果ともほぼ合致する。それによると、スターバックスの店舗の決済のうちモバイルアプリでの支払いは約15%という結果だった。

消費者らはなぜ、現金による決済を好むのか。その理由は米連邦準備制度理事会の3月の調査結果で明らかにされている。それによると、75%の消費者が現金やカードのほうが素早く簡単に支払いが行えると回答している。また、59%はモバイルペイメント技術のセキュリティ上の不安を挙げていた。

文=クレア・オコナー(Forbes)/ 翻訳編集=上田裕資

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