現在、ウクライナ側は自国製の滑空爆弾でそれに応酬しようとしている。ウクライナ空軍のSu-27戦闘機の搭乗員が最近撮影した動画には、同空軍のSu-24戦闘爆撃機が主翼下に滑空爆弾の試作品を吊り下げて飛んでいる様子が映っている。
ウクライナが米国製のJDAM-ER滑空爆弾とフランス製のAASMハマー滑空爆弾だけに満足せず、自国製の滑空爆弾も空軍機に搭載させる考えなのは明らかだ。ウクライナ空軍司令部のセルヒー・ホルブツォウ航空部長(准将)は6月、旧ソ連製の無誘導爆弾を精密爆弾に変える新たな滑空・誘導キットを開発していると明らかにしていた。Su-24による今回のテスト飛行は新兵器の開発で重要なステップになったとみられる。
展開式の翼を取り付け、尾部にロケットブースターを搭載しているように見え、おそらくGPS(全地球測位システム)で誘導されるこの滑空爆弾は、AASMにたいへんよく似ている。ウクライナ側は実際にAASMを模倣した可能性もある。弾頭重量250kgのAASMは固体燃料ロケットですばやく推力を補助されることで、最長65km先まで飛んでいくことができる。
ウクライナ空軍がAASMの射程と命中精度に満足している半面、フランスからの供与数に満足していないのは明白だ。フランスが確約している供与数は月に50発にすぎない。米国から供与を受けているJDAM-ERと足し合わせても、ロシアがウクライナの1000kmにおよぶ前線で毎月発射しているKABの数、およそ3000発にはまったく届かない。