OnlyFansの英国の親会社フェニックス・インターナショナルの年次報告書によれば、同社は2023年にラドヴィンスキーに4億7200万ドル(約670億円)の配当金を支払った。この額は、2023年に彼に支払われた3億3800万ドルから増加している。
新たな報告によると、プラットフォーム上の取引額は2023年に18.9%増加し、66億ドルに達した。OnlyFansは、決済金額のうちの約80セントをクリエイターに支払うと述べている。同社の収益は2022年の10億ドルから13億ドルに増加し、利益は前年比20%増の4億8540万ドル(約690億円)に達していた。
この成長は主にサブスクリプション以外の収益からのもので、単発の写真や動画の購入は2022年の5億6760万ドルから、2023年には7億6500万ドルに増加した。サブスクリプション収益は、より控えめな増加で、2022年の5億2210万ドルから5億4080万ドルに増加した。OnlyFansの総加入者数は、約2億4000万人から28%増加して、3億500万人に達し、クリエイター数も320万人から29%増加して410万人に達していた。
プラットフォームの収益の大半は米国が占めており、2023年の米国の収益は約8億6300万ドル、ヨーロッパとその他の地域が4億4320万ドルだった。驚くべきことに、同社のフルタイムの従業員数は、2022年の52人から2023年には42人に減少していた。
ウクライナ生まれの米国市民のラドヴィンスキーは、ポルノ紹介ウェブサイトの運営からキャリアをスタートし、過去3年間でOnlyFansから10億ドルの配当を受け取った。フォーブスは、彼の現在の保有資産を38億ドル(約5400億円)と試算している。
ラドヴィンスキーは、2018年に今よりもはるかに小規模だったOnlyFansを創業者のティム・ストークリーとその父のガイ・ストークリーから買い取った。同サイトはパンデミック中に急成長し、主にポルノーのショーケースとして人気を博したが、2021年8月に児童の性的虐待コンテンツが掲載されているとの報告を受け、銀行やクレジットカード会社からの圧力により性的コンテンツを禁止している。
「職場でも見られる動画」に進出
しかし、同サイトは数週間後にその方針を撤回し、「多様なクリエイターのコミュニティを支援するために必要な保証を確保した」と発表した。OnlyFansによるこの方針転換はサイトのクリエイターやセックスワーカーたちの擁護者から激しい批判を受けた。英国の通信・放送分野の規制機関Ofcomは、5月に同サイトの年齢確認プロセスに問題があったとして調査を開始した。また、ロイターが3月に発表した調査によると、OnlyFansには、性的コンテンツが無断で投稿されたという男女からの訴えが約140件も寄せられていたという。
しかし、同サイトは性的コンテンツ以外にも事業を拡大しようとしている模様だ。同社は、2021年にOFTVというYouTube風の動画ストリーミングプラットフォームを立ち上げて、OnlyFansのクリエイターに、フィットネスや料理、音楽などの「職場でも見られる」コンテンツを配信させている。
(forbes.com 原文)