欧州

2024.09.05 17:00

ポクロウシクの南東方面が焦点に ウクライナ軍、包囲の危機でも突出部保持の構え

Shutterstock.com

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ウクライナ東部ドネツク州のきわめて重要な補給線にまたがり、ウクライナ軍の防御拠点になっているポクロウシク市の南東方面で、ウクライナ軍の4個旅団の一部、総勢400人規模ともみられる兵士らが、ロシア側の支配地域に突き出した形になり攻撃にさらされやすくなっている区域を保持している。

ウクラインシク村と、その東を流れるボウチャ川との間に広がる80平方kmほどのこの突出部に関して、専門家からはここ数日、ウクライナ軍は撤退すべきだという意見も出ている。ウクライナ軍の部隊がここにとどまれば、4倍の兵力をもつロシア軍に包囲され、補給路を遮断され、撃滅されるおそれがあるからだ。

しかし、ウクライナ軍は現時点でそうする気はあまりないようだ。4日、突出部と、その北西のウクライナ側の主要な防御区域との間に位置し、道路と線路が交差する重要な地点であった小競り合いで、ウクライナ側はロシア軍部隊を容赦なく攻撃し、勝利した。

この戦闘は、ロシア軍の少なくとも2両の車両(1両はBTR装甲兵員輸送車、もう1両はおそらくMT-LB装甲牽引車)が、ポクロウシクとウクラインシクの間の前線を支えるウクライナ側の拠点であるセリドベ市に、東西に走る幹線道路で西から侵入してきた際に生じた。

ロシア軍の中央(ツェントル)軍集団がセリドベへの侵入を試みる理由、そしてウクライナ軍がこの都市を堅持する構えである理由は明らかだ。ウクライナ軍部隊が突出部で持ちこたえる限り、ポクロウシクに向けて進軍するロシア軍の主力である第2諸兵科連合軍と第90親衛戦車師団の左翼にとって、セリドベのウクライナ軍守備隊は脅威になるからだ。

ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)は1日の作戦状況評価にこう記している。「過去1週間で、ツェントルの司令部、とくに第2軍と第90戦車師団は、ポクロウシクを直接狙うことから、セリドベとその東から南東にかけての周辺エリアで押し込むことに重点を移した。成功すれば、ロシア側は南から進攻する部隊の左翼の安全を確保しながら、ポクロウシクに向けてさらに前進できる」
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翻訳・編集=江戸伸禎

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