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2024.09.14 09:45

9割が「困ってる人を助ける」日本人は本当に優しいのか

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日本人は優しいのかという面白い調査が行われた。対象は日本人なのであくまで自己申告だが、自分自身の「優しさ」を振り返るいいきっかけになる。

不動産のお悩み解決サイト「URUHOME」(ウルホーム)は、日常生活の問題に興味や関心のある500人を対象に、日本人の優しさとコミュニケーションに関するアンケート調査を実施した。質問は「困っている人を助けるか?」、「友だちとの会話では聞くほうか、話すほうか?」、「電話をするとき、ついお辞儀をするか?」の3つ。

困っている人を見たら助けるという人は、ほぼ9割と圧倒的多数だった。日本人は素晴らしいと思いたくなるが、現実に街で困っている人に飛んでいて手を差し伸べる人をあまり見かけない。じつはこの9割には、「自分で助けそうなら助ける」、「急いでいなければ助ける」、「ほかに救助者がいなければ助ける」などの条件がつく。言い換えれば、条件に合わなければ見捨てるということだ。助けようかどうしようか逡巡している間に事態は進行してしまい、「結局何もしなかった」で終わるパターンだ。「いかなる状況でも助ける」という本当に優しい人は7.8パーセントときわめて少数だった。

「助けない」と断言したのは5.6パーセント。「面倒ごとに関わりたくない」、「他人より自分の予定が大事」という非情な意見が見られたが、むしろ正直だ。

友人との会話で自分は聞くほうか話すほうか、との質問では、「聞くほう」が約3割と多く、「話すほう」は1割強。ほぼ6割の人は「どちらとも言えない」だった。

全体の割合はそうなっているが、個別では「ときによって割合は変わる」がトップになっている。これは「どちらとも言えない」に分類される。2位は「とくに意識していない」だ。自分の話ばかりする人は、自分が話し過ぎている自覚がないものだ。聞き手にまわる人が3割と聞くと日本人は優しいように見えるが、相手に遠慮してストレスを溜めている人も多いはず。それは優しさとは違う。

愉快なのは、電話口でお辞儀をする人が半数以上いることだ。これは「優しい」というより「丁寧」ということだろう。お辞儀をしないと明言した2割の人も、なにもソファーにふんぞりかえった姿勢で「どうぞよろしくお願いします」と言っているわけではないはずだ。人に会っても絶対に頭を下げないと言っているわけではない。

突っ込みどころ満載の結果だが、なかなか興味深い調査だ。人を助けるときにあれこれ条件を付けるのは「助けたくない」気持ちが優先するからだし、聞き手に回るのも無神経な人を遮ってまで話せば体力を消耗するからで、相手のことを「イヤだな」と思いつつ付き合っているわけだ。これは「優しさ」ではない。この2つの結果を参考に、我々は正直に自分自身を振り返るべきだろう。

ただ、電話口でお辞儀をするというのは、相手への誠実さの表れとして素直に受け取ることができる。これは日本文化の継承者として誇れる美徳と言いたい。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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