「来年には、他社が我々のことを模倣するようになっているだろう」と語るCarl Peiは、シャオミに続いて今最もホットと評される中国のスマホメーカーの共同創業者だ。
二十代の若手経営者は誇大な夢を語りがちだが、彼にはその資格があると考える者が少なくない。
昨年、 PeiはCyanogen OS搭載のエレガントでパワフルなスマホ「OnePlus One」を大ヒットさせて世界を驚かせた。OnePlus Oneは世界のAndroidスマホ市場で最も高い評価を得た機種の一つだ。人気のポイントは、その低価格にある。Samsung、Apple、HTCの同スペック機種よりも数百ドル安い300ドルだ。
OnePlusの創業者たちは、初期の販売量を数万台と見積もっていたが、実際には世界中で150万台売れた。「我々は販売予測を立てるのが下手なんだ」とPeiは笑いながら話す。
OnePlusは、低価格戦略をはじめ、機種アップデートの頻度の高さや宣伝手法の面で、同じ中国のシャオミと比較されることが多い。シャオミは、OnePlusを遥かに上回る、何千万台もの端末を販売しているが、それ以外にも両社には大きな違いがある。それは、シャオミが売上のほとんどを中国国内に依存しているのに対し、OnePlusが世界中で売れているという点だ。
OnePlusの出荷量の地域別構成比は、ヨーロッパ、アメリカ、インド、中国がそれぞれ約25%ずつ。販売は自社サイトの他、Amazonのようなオンラインモールを通して行っている。中国の深セン市を拠点とするOnePlusは、一号モデルのOnePlus Oneのローンチから約一年を経て、後継モデルのOnePlus 2を発表した。
ローンチに先立って、様々な噂や「コントロールされたリーク情報」が飛び交ったが、こうした話題性を高める宣伝手法は、OnePlusが得意とするところだ。新モデルのOnePlus 2は16Gバイトのアンロック版が329ドル、64Gバイトモデルが389ドルと、OnePlus Oneとほとんど変わらない価格設定になっている。OnePlus 2の主なスペックは以下の通り。
• 指紋センサーを搭載。
• RAMは、16Gバイトモデルが3 GB、64Gバイトモデルが4 GBを搭載。
• カメラの画素数は1,300万画素。センサーサイズは1.3μmで、暗所での撮影能力に優れている。また、光学式手ぶれ補正機能を搭載している。
• 充電用ポートにはUSB Type Cを採用し、端子がどちら向きでも接続することができる。
• デュアルSIMに対応。通信会社や電話番号を切り替えて使用することができる。
• OSは、OnePlusが独自に開発したOxygenOSを採用。
デビュー機で大成功を収めたPeiは、新モデルの販売予測を口にすることはしない。しかし、Peiによると、先代モデルのOnePlus Oneは、既にシャオミのフラッグシップ機種であるMi 4の4倍から5倍売れているという。
OnePlus 2の販売台数が150万台を超えるようなことがあれば、Xiaomiのみならず、SamsungやAppleにとっても脅威となるかもしれない。
「今年は、去年よりも自信がある。我々は市場をリードしているんだ」とPeiは躊躇なく話した。