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欧州

2024.09.04 17:00

ロシア軍の装備に1日で190点近くの損害確認 通常の10倍、東部攻勢の代償かさむ

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ロシア軍は2023年10月、ウクライナ東部ドネツク州の要塞都市アウジーウカに対する攻撃を始め、5カ月あまりかけて包囲した末、今年2月半ばに占領した。

ウクライナ軍の弾薬が米議会のロシアに好都合な共和党議員らの支援妨害で枯渇していたこともあり、ロシア軍はその後も進撃を続けた。

4月、ロシア軍はオチェレティネ村方面でウクライナ軍の後方陣地の第1線を突破した。さらに西進し、8月にはイワニウカ村方面でウクライナ軍陣地の第2線を突破した。

ロシア軍、より細かく言えばその中央(ツェントル)軍集団は現在、アウジーウカ軸の次の主要目標であるポクロウシク市まで10km弱に迫っている。ポクロウシクは、東部の戦線全体にわたるウクライナ側の重要な補給線にまたがる要衝だ。

ロシア軍はアウジーウカ軸で11カ月かけておよそ40km前進する一方で、膨大な損害も出している。損害がどれほど膨らんでいるのか、正確なところはわからない。しかし先週末、ロシア軍が2022年2月の全面侵攻開始以降、1日あたりで最大級の損害を被ったという証拠がある。

OSINT(オープンソース・インテリジェンス)アナリストのアンドルー・パーペチュアは1日、撃破されるか損傷するか、あるいは遺棄されたロシア軍の装備を190点近く確認している。ウクライナ軍の損害は格段に少なく、三十数点にとどまっている。

オランダのOSINTサイトのオリックス(Oryx)の集計に基づくと、戦争拡大から920日ほどの間に、ロシア軍の装備の1日平均損害数は19点ほどとなっている。つまり、ロシア軍はこの週末に通常の10倍にのぼる損害を被ったということだ。

補足しておくと、パーペチュアによるこの日集計分のリストにある損傷した装備のなかには、修復できるものもあるはずだ。また、すべての損害が過去1日ほどの間に出たわけではなく、損害自体はそれ以前に発生していたが視覚証拠(写真や映像)がこの週末に出てきたものも含まれる。また、すべての損害がポクロウシク方面で生じたわけでもない。

それでも、パーペチュアがソーシャルメディアのロシア側とウクライナ側双方のアカウントの投稿を精査し、ほぼ毎日公表している損害の集計は、1000kmにおよぶ前線で目下、最も激しい戦闘が繰り広げられている戦場であるポクロウシク正面でのロシア軍の損害規模をうかがわせる指標として、かなり信頼できるものだ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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