NASAの宇宙飛行士ブッチ・ウィルモアがこの音をミッションコントロールに報告した。NASASpaceFlight.comのディスカッションボードに記録された通信によれば、ウィルモアはこの音を「奇妙な雑音」と表現している。繰り返される音はスピーカーから発生しており、ウィルモアは、他に異常はないと報告していた。ミッションコントロールは、この問題を調査すると約束した。
米国時間9月3日、NASAは音の原因は平凡なものであることを発表した。「スピーカーのフィードバック音は、宇宙ステーションとスターライナー間の音声設定によるものだった」とNASAは声明で述べた。「宇宙ステーションの音声システムは複雑で、複数の宇宙船やモジュールを接続する際にノイズやフィードバックが発生するのはよくあることだ」という。NASAによると、このフィードバック音が宇宙船や乗組員、ISSの運用、またスターライナーの帰還計画に技術的な影響を与えることはないという。
スターライナーは、以前から数々の問題に悩まされている。この宇宙船は、NASAの商業乗員計画(Commercial Crew Program)の一部であり、この計画ではNASAが民間企業と提携して宇宙飛行士をISSへ往復させる役割を担っている。スペースXのドラゴンカプセルは、もう何年も宇宙飛行士を運んでいるが、ボーイングはまだ追いついていない。スターライナーは、テスト飛行の過程で複数の技術的な問題にも直面している。
スターライナー初の有人試験飛行では、ブッチ・ウィルモアとスニ・ウィリアムズが6月にISSに到達したが、漏出や推進装置の不具合により、宇宙飛行士たちはスターライナーではなくスペースXのドラゴンカプセルで帰還することになった。ウィルモアとウィリアムズは当初ISSに8日間滞在する予定だったが、現在は2025年初めに帰還する予定となっている。