台湾からの向かい先には「気候」が関係?
台湾からの旅行者の場合、どうだろう。トップが沖縄県なのは地理的にうなづけるが、2位に北海道がランクイン。3位が東京都となっている。4位は京都府x大阪府、5位が千葉県x東京都だ。2位に北海道がランクインしているのは、どうやら台湾の気候が関係しているようだ。
台湾は1年中温暖な気候であり、夏は28~30度前後、冬でも15~20度前後の気温となる。そのため、日本の様な冬を感じられない台湾人にとって、北海道の雪景色やスキーなどのアクティビティ、自然豊かな大地でとれる食材は非常に魅力的なものであるのである。
なぜ韓国だけ「福岡」一位?
韓国の場合はどうだろう。1位は福岡県、2位は大阪府。3位にようやく東京都がランクイン。4位が京都府x大阪府、5位が北海道となっている。福岡は確かに東アジア諸国に近い場所に位置しており、東アジア地域からの旅行客が多いことが予想できるが、実際に中国・台湾のランキングを見てみると福岡は10位以降にランクインしており、実は予想程多くない。そんな中、韓国だけが一位に福岡を堂々と据えていることに理由はあるのだろうか。
1.関東へ旅行するより安い
やはり一つ目の理由は、圧倒的価格の安さだろう。例えば、2024年11月4日のエアソウルによる仁川国際空港から成田空港の往復運賃は、最低価格で日本円にして43840円だ(※2024年8月16日時点)。一方、仁川国際空港から福岡空港への同日の往復運賃は31210円であり、約1万2千円ほどの差がある。
また、もっと驚くべきなのは福岡に最も近い韓国の都市「釜山」から福岡へ船で行く場合だ。
クイーンビートルで行く場合は、往復で27800円、カメリアライン等が運営するフェリーの最安プランで乗船した場合は往復運賃は脅威の16800円だ。福岡にフェリーで最安プランを利用して旅行するとすると、その運賃は、飛行機を用いた東京旅行よりも約2万7千円安くなる。多少付け加えれば、これは福岡に住む日本人にも同じことが言えるのである。
2.福岡紹介Youtuber「福岡アジョシ」の存在
二つ目の理由を挙げれば──というより補足するならば、福岡を紹介するYoutuberの存在も寄与しているかもしれない。特に「福岡アジョシ(韓国語で「福岡おじさん」)」というYoutuberはその中でもひときわ大きな存在感を放っている。このチャンネルは30代の日本人男性が一人称視点・韓国語で送るチャンネルで、福岡・九州の飲食店等を分かりやすくレビューしている。
観光雑誌とは異なり、一人称視点で、実際に訪れる際のシュミレーションができるという点が韓国の若者を惹きつけ、日本へ踏み出しやすくさせているのかもしれない。