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欧州

2024.09.03 11:30

「ロシアのスパイ」容疑のシロイルカ、ノルウェー沖で死亡確認

ノルウェー北部で発見されたシロイルカのバルジーミル(Shutterstock.com)

ロシアがスパイとして訓練したのではないかとの疑惑で知られていたシロイルカのバルジーミルが、ノルウェー沖で死んでいるのが見つかった。

バルジーミルが初めて世界的に注目を集めたのは2019年のことだ。ロシアとノルウェーの海洋境界線から約300キロメートル離れたノルウェー北部の海で、GoProのカメラを搭載するマウントの付いた特製のハーネスが装着されているのが目撃された。ハーネスには 「サンクトペテルブルグの装備 」と書かれていた。そのため、ロシアがバルジーミルを水中活動を行うスパイとして訓練したのではないかとの憶測を呼んだ。

バルジーミルの活動を長年監視してきたノルウェーの非営利団体マリン・マインドに地元の人から目撃情報が寄せられ、8月31日に南西部の町リサフィカの沿岸でバルジーミルが浮かんでいるのが確認された。マリン・マインドの創設者のセバスチャン・ストランドによると、バルジーミルに目立った外傷はなく、死因は不明だという。

海洋生物学者であるストランドは「なんとか死体を回収し、専門機関による解剖に備えて冷暗所に安置した」と仏AFP通信に語った。

「動かずに浮いているのを発見する24時間強前に、我々は生存を確認していた」とストランドは付け加えた。

バルジーミルというニックネームは、ノルウェー語でクジラを意味する言葉と、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の名前を合わせたものだ。バルジーミルが発見され、ハーネスが外されて以来、マリン・マインドはバルジーミルの追跡と保護に注力してきた。例えば、危険な目に遭いそうな場所からバルジーミルを遠ざけようと試みたり、バルジーミルを見かけた人に安全のために近づかないよう呼びかけたりした。マリン・マインドは、バルジーミルが置かれた特異な状況を利用して海洋哺乳類を取り巻く厳しい環境について社会に訴えた。
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翻訳=溝口慈子

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