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欧州

2024.09.02 16:00

ウクライナはポクロウシクを救えるか 主塹壕線わずか1本、頼みの綱の精鋭旅団は疲弊

ロシア軍が8月にポクロウシク正面の攻勢を加速したとき、ウクライナ軍にはこの正面への増援に振り向けられる旅団がいくつかあった。だが、ウクライナ軍参謀本部はそうせず、予備の8個旅団の一部ないし全部をロシア西部クルスク州への逆侵攻に投入した。8月6日の奇襲で始まったこの越境地上攻撃で、ウクライナ側はクルスク州の1000平方km以上の土地を一気に支配下に置いた。

ロシア側は、ウクライナ軍はなお5個前後の旅団を予備として温存しているとにらんでいるもようだ。しかし、奇妙なことに、これらの旅団もポクロウシク正面に来ていない。ウクライナ軍は残りの予備部隊もクルスク州に投入するつもりなのかもしれない。

したがってアウジーウカとポクロウシクの間のウクライナ側の防御は、この軸で半年以上にわたって後衛戦を戦い、疲弊している精鋭の第47独立機械化旅団にかかっている。

2000人規模の第47機械化旅団は今年2月、米国から供与されたM1エイブラムス戦車全31両などとともに東部に転戦してきた。以後、兵力にまさるロシア軍部隊との長期にわたる過酷な戦闘で損害がかさんできている。

エイブラムスにはこれまでに14両の損害を出し、損傷が確認されている車両もすべて修復不可能だとすれば現在は半数ほどに減っている可能性がある。同旅団は重量六十数t、乗員4人のエイブラムスに爆発反応装甲などを追加して防護を強化しているが、8月にも2両を失っている。

ウクライナにはポクロウシクを救う時間がまだ残されている。ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)は8月31日の作戦状況評価で、ロシア軍はポクロウシクに「9月半ばまでに到達するとみられるものの攻略まではできないだろう」との見解を示している。

理由としては、開けた地形が攻撃側のロシア軍にとって不利なことと、ウクライナ側が南のセリドベ方面や北のコスチャンティニウカ方面から逆襲を仕掛ける可能性があることの2点を挙げ、これらによってロシア軍の進撃は鈍化するとみている。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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