政治

2024.09.02 11:30

J.D.ヴァンス、ピーター・ティールに大統領選への資金援助を要請

Getty Images

米共和党の副大統領候補であるJ.D.ヴァンスは、ペイパル共同創業者のピーター・ティールに対し、トランプ陣営への資金援助を要請した。ティールは以前、2024年の選挙から距離を置くと誓っていたが、ヴァンスはインタビューで彼に「傍観せずに参加してほしい」と訴えた。

英紙フィナンシャル・タイムズに掲載された8月29日付のインタビューで、ヴァンスはティールについて「根本的に保守的な人物」だと語り、共和党を支持するために選挙戦に加わるべきだと語った。

ヴァンスとティールは長年のつきあいで、ワシントン・ポスト紙のインタビューでヴァンスは、ティールが彼の良いメンターだったと語っていた。また、ヴァンスが出資する企業のナリヤ・キャピタルは、2019年にティールの支援を受けたと報じられていた。ヴァンスは、「ピーター(ティール)との対話を続け、説得するつもりだ」と述べている。

ティールは、2022年にヴァンスがオハイオ州の連邦上院選に出馬した際に、一人の上院候補に対する献金額としては史上最高額の約1500万ドル(約22億円)を献金していた。また、2016年の大統領選では、トランプ陣営に125万ドル(約1億8276万円)を献金していた。

しかし、ティールは昨年、トランプ陣営からの1000万ドル(約14億円)の献金の要求を断り、2024年の選挙への資金提供からは距離を置くと述べていた。彼は、The Atlantic誌に対し、トランプへの投票は「言葉にならない助けを求める叫びのようなもの」だったと語り、彼を支持することが「思っていたよりも狂気じみていて危険だった」と述べていた。

「彼らは、政府の最も基本的な部分を機能させることすらできなかった」とティールはトランプ政権について語り、「それは、私の低い期待さえも下回るものだった」と述べていた。

トランプは、国内の富豪たち複数人から支持を得ており、ここ最近の暗号資産コミュニティへの歩み寄りを含む取り組みを通じて、大口の政治献金を獲得しようとしている。トランプ陣営は、8月中旬時点で総額1億6200万ドル(約236億円)を20数名のビリオネアから集めており、そこには、銀行家のアンドリュー・ビールやホームデポ共同創業者のバーナード・マーカス、カジノ業界の大物ミリアム・アデルソン、米国で最も裕福な自力で成功を遂げた女性のダイアン・ヘンドリックスなどが含まれている。

一方、民主党のハリス陣営には、マイケル・ブルームバーグやリード・ホフマン、マイケル・モリッツなどのビリオネアが、これまでに約1億1600万ドル(約169億円)を献金している。

フォーブスは、29日時点のティールの保有資産を91億ドル(約1兆3300億円)と試算し、彼が世界で277番目に裕福な人物だとしている。ティールは、ベンチャーキャピタルのファウンダーズ・ファンドの創業パートナーであり、ビッグデータ分析会社パランティアの共同創業者としても知られている。彼はまた、フェイスブックの初期投資家でもある。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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