経済・社会

2024.09.01 10:00

ブラジルで「X禁止」の可能性、同国とマスクの対立激化

マスクの衛星会社スターリンクも、Xとモラエス判事との対立に巻き込まれている。モラエス判事の裁判所はスターリンクの口座を凍結、マスクによるとブラジルでの「金融取引の実行」を妨げているという。スターリンクは木曜日の声明で、凍結命令は「スターリンクが裁判所がXに課した罰金の責任を負うべきだという根拠のない決定に基づいている」と述べた。


マスク氏は4月以降、モラエス判事を公然と嘲笑し、批判している。当時、Xのグローバル政府関連業務ページは、どのアカウントがどのような違反を犯したのか理解しないまま、特定のブラジルアカウントを禁止せざるを得なかったと述べていた。ガーディアンによると、この命令は、偽情報や分断的なメッセージを拡散させているとされる「デジタル民兵」の調査の一環だった。

マスクは、著名なブラジルのジャーナリストやブラジル議会の現職議員のアカウントを停止するよう求められたと述べ、後にこの命令を「どの国よりも厳しい要求」と表現し、モラエス判事の解任を求めた。さらにマスクは、特定のアカウントを停止せよとするモラエス判事の命令に従わないと示唆し、判事はマスクを司法妨害で非難し、このテック界の大富豪をXの調査に含めた。ロイター通信がブラジル連邦警察の報告を引用して報じたところによると、一部のアカウントはアクティブなままであったため、プラットフォームは規則に部分的にしか従わなかったという。

Xとモライス判事の最新の対立では、判事はプラットフォームに対し、現地時間8月29日午後8時までに現地法定代理人を任命するか、サービスを停止するかどうかの選択を迫った。マスクはモラエス判事を非難し、ポストで「彼は自ら守ると誓った法律を繰り返し破っている」と述べている。

モラエス判事を批判したマスクとXの最近の投稿は、プラットフォームが法的命令に譲歩しないことを示唆しているが、禁止措置がいつ発効するのか、またはXが禁止措置に異議を申し立てる意向があるかは不明だ。Xは、モラエス判事の行動に対するブラジル最高裁判所への上訴は「受理されていない」ものの、裁判で自らを弁護しようと試みてきたと述べている。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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