「ジョニ黒がヤケ酒になる貨幣危機」とはかのサザエさんが詠んだ一句。「9000円で買ったとき飲みゃよかった」と波平は悔しがりつつ酒瓶を大事そうに両手で抱え、マスオと酒杯を交わす。これは当時、朝日新聞で連載されていた漫画『サザエさん』で描かれたドルショック(1971年8月)の模様。通称“ジョニ黒”と呼ばれている「ジョニーウォーカー ブラックラベル」が高級酒の代名詞であったことを端的に伝えてくれる一コマだ。
その“ジョニ黒”のさらなる上位ブランドとして、ラグジュアリーウイスキーという新たな地平を拓いたのが「ジョニーウォーカー ブルーラベル」。1992年の誕生当時は、熟成年数の長さ=スコッチウイスキーの価値だと考えられていた。そんな時代に味わいをストイックに追求することでその常識を覆し、さまざまな原酒をブレンドすることで熟成年数に縛られない最高のウイスキーを創造したのだ。
果たして何種類の原酒がブレンドされているかは残念ながら公開されていないが、一本のボトルのなかにモートラック、カリラ、ラガヴーリンなどの蒸留所から得た15〜60年の原酒が数十種ブレンドされていると聞く。その香り、味わい、余韻からかねて見知った銘酒のエッセンスを探すのもウイスキーファンたちの楽しみのひとつだ。
この「ジョニーウォーカー ブルーラベル」を「精鋭の音楽家たちによるオーケストラ」と表現するのは話題のレストラン「KEI Collection PARIS」(東京・虎ノ門)シェフバーテンダーの浅井克昭。「選りすぐった原酒の、さらにいいところだけを活かしてブレンドされているので、そのハーモニーは圧倒的」と説明しながら、飲み方と料理とのペアリングで3種を提案してくれた。
まずは乾いた喉を潤し、炭酸とともに弾ける香りを楽しむハイボールに、旬のスイカを加えたフォアグラの最中。さらに、ワイングラスを使うことでより香りが芳醇に感じられるストレートには、パリの老舗キャビア店「キャヴィアリ」のキャビア。最後に少しずつ氷が溶けだすことで味わいの変化が楽しめるロックにはガーリックチャーハンという、いわば「ジョニーウォーカー ブルーラベル」を味わい尽くすための3楽章から成る交響曲といった具合だ。杯を重ねるにつれて、眼前のバーテンダーがタクトを振る指揮者のように見えてきたけれど……ちょっと飲み過ぎちゃったかな。
ジョニーウォーカーブルーラベル
容量|750ml
度数|40度
価格|23100円(希望小売価格)
問い合わせ|ディアジオ ジャパン 0120-014-969 (平日10:00〜17:00)
今宵の一杯はここで
KEI Colleciton PARIS自由度の高い大人の社交場アジア人として初めてパリでミシュラン3つ星を獲った小林圭シェフが「東京に大人の社交場を」と気合を入れてつくり上げた、今話題のレストラン。メニューはすべてアラカルトでオーダーできるほか、バーやテラスで食前・食後酒、軽食など自由度の高い楽しみ方ができる。地上250mの高さにあるインフィニティプール越しに眺める東京の夜景も圧巻。
KEI Colleciton Paris
住所/東京都港区虎ノ門2-6-2 虎ノ門ヒルズ ステーションタワーTOKYO NODE 49F
予約・問い合わせ/https://www.kei-collection.com/
営業時間/17:30〜23:00 (バーは〜26:00)
休/火・水