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2024.08.29 12:30

元パランティア幹部が開発した「犯罪捜査のための検索エンジン」

ヌーンによるとペレグリンの顧客の平均契約額は年間28万ドル程度だという。「私たちは、顧客が大金を払うことを望んでいない」と彼は話す。

過去2カ月間で、オレンジ郡の保安局はペレグリンとの90万ドルの契約を通じてRTCCを立ち上げた。「クラウドネイティブなアプリケーションの登場により、小規模な機関も、これらのモダンなテクノロジーをごく短期間で、はるかに少ないコストとインフラで展開できるようになった」とオレンジ郡保安局のCIOであるデイブ・フォンテノーはフォーブスに語った。また、7月末には、米国最大の警察署の1つであるロサンゼルス市警がペレグリンと280万ドルの契約を締結した。

しかし、RTCCのコストが低下することで、警察のこのテクノロジーの濫用への懸念が高まっている。「ここ最近、さまざまな規模の警察署がリアルタイムの監視技術にアクセスしやすくなっていることは明らかだ」と電子フロンティア財団(EFF)の上級調査研究者のベリル・リプトンはいう。「ペレグリンのような企業は、基本的に人々のプライバシーを損なう要素の上に成り立っている」と彼女は指摘した。

リプトンによると、RTCCやペレグリンのテクノロジーは、貧困層や非白人地区を不当に標的にするものとして批判されている「予測警察」の実現にもつながる可能性があるという。

一方、こうした懸念を和らげるためにペレグリンは、米国プライバシー・市民的自由監視委員会の元委員長であるアダム・クラインを顧問として迎え入れた。彼は、連邦捜査局(FBI)や中央情報局(CIA)、国土安全保障省(DHS)の取り組みを監視した経験から、ペレグリンのスタッフに対して、これらの機関が犯した過ちを避ける方法や、プライバシーと市民的自由に配慮したオペレーションの在り方を指導している。

しかし、ヌーンは、ペレグリンのテクノロジーが警察の監視活動のみに役立つことに満足していない。彼の願いは、同社のテクノロジーが最終的に警察を含む政府機関の、人々が法を犯す原因となる社会問題を特定するための取り組みに役立つことだ。ヌーンは、他の地方の政府機関が都市のデータを精査し、特定の場所や時間に犯罪が発生する理由を理解するために、このツールセットを提供したいと考えている。

「少年たちは何時に学校から帰宅するのか? その時間に開いている図書館はあるか? その放課後プログラムでは実際に何が行われているのか? ここには、都市がデータを通じて把握すべき課題が数多くある」と彼は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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