「1971年に公開された有名なレース映画『栄光のル・マン』に主演したスティーブ・マックイーンが、ガルフストライプのレーシングスーツを身にまとい、青い文字盤のホイヤー・モナコを腕に巻いている姿ほど、時計とモータースポーツの相乗効果を捉えた写真はほとんどない」とサザビーズは声明で述べている。
この1133Bは、サザビーズによって厳選されたビンテージのホイヤー製クロノグラフの1つである。ホイヤーの伝統とモータースポーツとの結びつきが反映されたこれらの腕時計は「ホイヤー・チャンピオンズ」と題したテーマオークションに出品される。
この歴史的に重要な腕時計は、映画『栄光のル・マン』の撮影現場に送られた6本の青い文字盤のホイヤー・モナコ 1133Bのうちの1本だ。サザビーズによれば、6本のうち2本にはステンレススチール製ブレスレット、残りの4本にはレザーストラップが装着されていたという。映画の中でマックイーンが着用していたのは後者のレザーストラップ仕様で、今回のオークションに出品される時計は、撮影時にマックイーンが着用した4本のうちの1本だ。撮影で使われた6本の腕時計のうち、2本は現在、タグ・ホイヤーのミュージアムが所蔵している。つまり、映画で使用された残りの腕時計がオークションに出品されるのは滅多にない機会というわけだ。
サザビーズによれば、このモナコ 1133Bには最初の製造時から現在に至るまで、連綿と続く歴史があるという。この時計は、映画『栄光のル・マン』で小道具部門の責任者だったドン・ナンリーの要請により、スイスにあるホイヤーの工場から他の時計やストップウォッチなどといっしょに撮影現場に送られてきた。撮影終了後は、映画に登場するレーシングカーのメカニックを務めたベヴァン・ウェストンの手に渡った。