時計

2024.08.30 11:30

スティーブ・マックイーンの腕時計が競売に、映画で着用 予想落札価格は1億円前後

映画『栄光のル・マン』撮影中にモナコを着用するスティーブ・マックイーン(TAG Heuer)

モータースポーツ、有名人そして稀少で重要な時計は、腕時計の二次流通市場において勝利の組み合わせとなる。ホイヤーの「モナコ 1133B」は最も有名な歴史を持つ特別なレーシングウォッチだ。この腕時計の中でも、俳優でレーサーでもあったスティーブ・マックイーンが映画で着用した1本が、12月11日にニューヨークで開催されるサザビーズのオークションに出品される。落札価格は50万〜100万ドル(約7200万円〜1億4400万円)になると予想されている。

「1971年に公開された有名なレース映画『栄光のル・マン』に主演したスティーブ・マックイーンが、ガルフストライプのレーシングスーツを身にまとい、青い文字盤のホイヤー・モナコを腕に巻いている姿ほど、時計とモータースポーツの相乗効果を捉えた写真はほとんどない」とサザビーズは声明で述べている。

この1133Bは、サザビーズによって厳選されたビンテージのホイヤー製クロノグラフの1つである。ホイヤーの伝統とモータースポーツとの結びつきが反映されたこれらの腕時計は「ホイヤー・チャンピオンズ」と題したテーマオークションに出品される。

この歴史的に重要な腕時計は、映画『栄光のル・マン』の撮影現場に送られた6本の青い文字盤のホイヤー・モナコ 1133Bのうちの1本だ。サザビーズによれば、6本のうち2本にはステンレススチール製ブレスレット、残りの4本にはレザーストラップが装着されていたという。映画の中でマックイーンが着用していたのは後者のレザーストラップ仕様で、今回のオークションに出品される時計は、撮影時にマックイーンが着用した4本のうちの1本だ。撮影で使われた6本の腕時計のうち、2本は現在、タグ・ホイヤーのミュージアムが所蔵している。つまり、映画で使用された残りの腕時計がオークションに出品されるのは滅多にない機会というわけだ。

スティーブ・マックイーンが映画で着用したホイヤー・モナコ 1133B(Sotheby's)

スティーブ・マックイーンが映画で着用したホイヤー・モナコ 1133B(Sotheby's)

サザビーズによれば、このモナコ 1133Bには最初の製造時から現在に至るまで、連綿と続く歴史があるという。この時計は、映画『栄光のル・マン』で小道具部門の責任者だったドン・ナンリーの要請により、スイスにあるホイヤーの工場から他の時計やストップウォッチなどといっしょに撮影現場に送られてきた。撮影終了後は、映画に登場するレーシングカーのメカニックを務めたベヴァン・ウェストンの手に渡った。
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翻訳=日下部博一

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