ヘルスケア

2024.09.07 09:45

「野菜のうそ発見器」ベジメータが示す健康への道

プレスリリースより

自治体やスーパーなどで「野菜が足りているか」をチェックする催しがよく開かれるようになったが、そこでよく目にするのが「ベジメータ」という測定器だ。その販売元であるLLCジャパンは、日本人を対象にした調査から、野菜の摂取量と心血管疾患や認知症の発症リスクとの関係性を明らかにしたという。

ベジメータは、アメリカのLLCが開発した光学皮膚カロテノイド量測定装置というもの。野菜を食べるとカロテノイドという脂溶性色素が皮膚に蓄積される。装置に中指を入れるだけで、特許技術により、わずか10秒ほどで正確に測定する。カロテノイドの量は野菜や果物を食べると鋭敏に変化するため、野菜をきちんと食べているかどうかがすぐにわかる。指示どおり野菜を食べていない人を見抜いた実績から、アメリカでは「野菜のうそ発見器」とも呼ばれたりもしている。アメリカ農務省の「野菜(果物)摂取量を評価する光学皮膚カロテノイド量測定装置の評価国際基準」を満たし「「正確に野菜(果物)摂取量を評価する光学装置」と評価されたベジメータは、累計販売台数は世界で2万5000台を超えている。

さて日本では、いくつかの研究機関がベジメータを使った研究を行っている。聖隷浜松病院の尾花明アイセンター長らのグループは、ベジメータを使い人間ドックの受診者1130人を対象に行った調査で、野菜摂取量が多いほど心血管疾患の発症リスクが下がることを発見した。同研究グループは、推定野菜摂取量400グラム(ベジスコア495)以上の人は226グラム(ベジスコア282)未満の人にくらべてリスクが75パーセントも低いことを明らかにしたのだ。

島根大学医学部眼科教室の研究グループは、認知機能の低下を遅らせるために野菜摂取量を維持した場合の潜在的な有益性を明らかにした。緑内障患者406人を対象に行った調査では、認知機能障害のテストで陽性だった人のベジスコアは、陰性の人よりも有意に低かった。さらにベジスコアとインスリン抵抗性の指標との間に負の相関関係があることも明らかにした。つまり、野菜摂取量は糖尿病の発症リスクを関係することが示唆されたわけだ。

これらの調査結果は、あくまでベジメータを使用した場合のものであり、測定原理の異なる類似品の結果とは一致しないため注意が必要だと、LLCジャパンは忠告している。

ベジメータは、ベジスコアから野菜摂取量をAからEの5段階で評価する。推定野菜摂取量350グラム以上なら最高のA判定となるが、これらの研究成果を受け、心血管疾患や認知症のリスクが大幅に下がるベジスコア495以上に、LLCジャパンは新たにS判定を新設した。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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