ここ数年、インテルは世界のチップ市場で主導的地位を維持するのに苦労している。同社は世界中で市場シェアの低下を目の当たりにしてきた。さらに、モバイルデバイスの台頭とAIチップへの需要の高まりが、同社の中核事業に課題を突きつけている。その結果、インテルの1株当たりの年間収益と年間純利益は2021年度比でそれぞれ34%減、54%減となっており、株価が60%近く下落したのはこれが原因の1つであろう。
経営陣は再建に向けた設計図を描いている最中だが、リップ・ブー・タンがインテルの取締役を突然辞任したことで、投資家の懸念が高まっている。しかし私たちは、インテルの業績は今後緩やかに好転すると考えており、2024年度の年間収益は590億ドル(約8兆5150億円)、調整後の年間EPSは1.34ドルになると予想している。それを基に算出した目標株価は約30ドルであり、今年の急落によって20ドル付近まで下がった株価は割安だと見ている。
株価パフォーマンスと今後の見通し
インテル株の過去3年間におけるリターンは、2021年に6%、2022年にマイナス47%、2023年に95%であった。これに対し、S&P500種株価指数のリターンは2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%であり、インテル株のリターンは2021年と2022年にS&P500を下回っている。今後の見通しとして、インテルは2024年度第3四半期の売上高は前年同期と同水準となり、営業損益は赤字になると予想している。しかし、インテルにとって伝統的に好調な四半期である第4四半期には、好転が期待できるだろう。インテルが現在推進するコスト最適化イニシアチブの成功が、株価を先述した目標株価のレベルまで回復させる重要な原動力となりうる。
(forbes.com原文)