フォーブスが発表した2024年の「テニス選手長者番付」で、そのジョコビッチはわずか1年でトップの座を明け渡すこととなった。最新のランキングでは、過去12カ月で約4230万ドル(約61億円、税金・エージェント手数料込み)を稼いだ21歳のカルロス・アルカラスが1位。37歳のジョコビッチは再び2位となっている。
大会の賞金(コート内での収入)だけでみれば、ジョコビッチの年収は推定1220万ドル(約18億円)で、アルカラスを上回っている。だが、テニス界の関係者らは、コート外で優位に立つのは、すでに4度グランドスラムタイトルを獲得しているアルカラスだと確信している。
ナイキやロレックス、BMWと契約しているアルカラスが得るスポンサー料は、年間およそ3200万ドル(約46億円)。その場に登場するだけで100万ドルとも200万ドルともいわれる出演料を稼ぐイベントや展示会関連のスケジュールも過密だ。
一方、「世界で最も稼ぐテニス選手」の最新のランキングでトップ10に入った選手たちの年収の合計は、約2億4600万ドル(約355億円)。2020年に記録した史上最高額の3億4300万ドル(約495億円)から大幅に減少しているが(フェデラーとセレーナ・ウィリアムズの引退も大きく影響)、2023年の1億9600万ドル(約283億円)と比べれば、26%の増加となっている。
また、上位10人の平均年齢は今回、26歳となり(30代はジョコビッチとラファエル・ナダルのみ)、30歳をわずかに下回るだけだった前年から、さらに若返っている。今後のテニス界にとって、明るい兆しといえるだろう。