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2024.08.28 11:30

中国マネー狙うアリババ、香港で「プライマリー上場」に格上げ

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中国のEコマース大手のアリババ・グループは、香港取引所での上場ステータスを8月28日付で、現在の「セカンダリー上場」から「プライマリー上場」に格上げすると発表した。これにより、中国本土の投資家は同社の株を売買しやすくなる。

アリババは8月23日、株主がプライマリー上場への切り替えを承認したと発表した。同社は、ニューヨーク証券取引所にも上場しているが、この変更により香港のストックコネクト(株式相互取引)プログラムに参加する道が開かれ、中国本土の投資家は、上海と深圳の取引所を通じて香港市場に上場する同社の株式をより簡単に購入できるようになる。

ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストのキャサリン・リムとトリニ・タンが23日に公表したメモによると、深圳と上海の当局の承認が下りれば、9月上旬にもアリババ株は、ストックコネクトの対象銘柄に入るという。

アリババの共同創業者でビリオネアのジョセフ・ツァイ会長は、同社傘下のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)紙の5月のインタビューで、重複プライマリー上場を進める理由として、ストックコネクト・プログラムを通じてサウスバウンド(上海や深圳の取引所から香港市場に上場する株式を売買する動き)の資本流入が期待できることを挙げていた。香港市場でアリババ株の株価は低迷しており、過去1年で約5%下落している。

米国の取引所に上場している中国企業に対する米国規制当局の監視が厳しくなる中、アリババは2022年に香港の上場ステータスを変更する計画を初めて発表した。同社は、2014年のニューヨーク証券取引所で過去最大の新規株式公開(IPO)を行っていた。

香港取引所はここ数年、中国本土の経済成長の鈍化や、ハイテクや不動産などのセクターに対する中国政府の規制強化といった逆風に直面してきた。こうした中、アリババの上場ステータスの変更は、同取引所に恩恵をもたらすことが期待される。ブルームバーグ・インテリジェンスのシャーニー・ウォンは、23日に公表したメモの中で、この動きは香港取引所におけるサウスバウンドの取引高を約7%押し上げると予想した。

香港に流入する中国マネー

香港取引所は、新規上場と取引活動の活発化により、第2四半期の売上高が50億香港ドル(約933億円)、純利益は32億香港ドルと、それぞれ過去最高を記録した。同取引所では、6月末までの3カ月間にストックコネクトを介した本土投資家による1日当たりの平均売買高が前年同期比で47%増加した。

香港取引所は、2014年に初めてストックコネクト・プログラムを開始した。それ以来、電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(シャオペン)や理想汽車(リ・オート)、ストリーミング・プラットフォームの哔哩哔哩(ビリビリ)などの中国企業が香港・米国の重複プライマリー上場を行った。同取引所を率いるのは、今年3月にトップに昇格したボニー・チャンだ。彼女は今年、フォーブスがアジア太平洋地域の50歳以上の有力な女性を選出する「50 Over 50 Asia」に選ばれた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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