欧州

2024.08.26 17:00

ロシア軍が東部要衝ポクロウシクの東10kmに進軍 逆侵攻による「兵力分散」は不発に

ポクロウシク方面のウクライナ軍の防衛部隊にとってかすかな希望があるとすれば、この正面のロシア軍の損害が「甚大」(親ウクライナの調査分析グループ、コンフリクト・インテリジェンス・チーム)なことだろう。

そうした損害がロシア軍の前進の重しになっている兆しもある。ウクライナのシンクタンクである防衛戦略センター(CDS)は25日の作戦状況評価で、ポクロウシク正面ではロシア軍の進軍方向が2週間の間に7方向から3方向に減ったと指摘し、「敵はリソース不足に陥り始めている」との評価を示している。

だが、ペースが落ち、方向が狭まったとしても、ロシア軍が前進していることに変わりはなく、ポクロウシクが陥落する危険性は一段と高まっている。その結果、東部の広い範囲でウクライナ軍の防御が崩れることになれば、ウクライナ軍の指揮官たちは大規模な兵力(各最大400人の12個の大隊規模の前線部隊で構成されるともみられる)を、ポクロウシク正面の補強でなく、クルスク州への越境攻撃に投入したことを後悔するかもしれない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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