海外

2024.08.27 08:00

「AIコーディング」ツールの米新興Cursorがa16z主導で90億円調達

複雑なタスクを自動化

それを実現したのがCursorだ。同社は、新しいタイプのコードエディタ(エンジニアがコードを書いたり修正することができるアプリケーション)を構築している。同社のマイケル・トゥルエルCEOは、これを「プログラマー向けのGoogleドキュメント」と呼んでいる。このコードエディタは、OpenAIのGPT-4やAnthropic(アンソロピック)のClaude(クロード)のような大規模言語モデルの上に構築されたAIモデルが組み込まれており、コードの一部を自動的に予測、記述、編集することができる。

Cursorのソフトウェアは、AIスタートアップのエンジニアたちの間で広く普及している。OpenAIのエンジニアで、GPTモデル上に製品を構築するスタートアップと協業しているシャマール・アナドカットは、バグ修正やプロトタイプの構築にCursorを使用しているという。

「新しいアプリケーションを導入した際に生じるコールドスタート問題の克服において、Cursorは大きな変革をもたらした」と彼は言う。

トゥルエルを始めとする創業メンバーは、ChatGPTがローンチされる前の2020年から、OpenAIでAIの進化を観察してきており、この分野の成長性をよく理解していたという。彼らは、AIモデルが進化する中、複雑なタスクの自動化を実現するマイクロソフトのGitHub Copilotが成功するのを目の当たりにし、AIコーディング企業の設立を思い立った。「GitHub Copilotはベーパーウェアでなく、ウェイトリストもなく、実際に役立つ最初のAI製品だった」と彼は言う。

Cursorが目指すのは、エンジニアにとって面倒な作業の95%を自動化し、コーディングの創造的な側面にもっと時間を割けるようにするツールを開発することだ。「今日優秀なチームが構築しているシステムよりもはるかに複雑なものを、一人のエンジニアがつくれるようになる日が近く到来するだろう」と彼は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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