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経営・戦略

2024.08.26 16:00

イーロン・マスク、株式報酬求めるX社員に「自己評価」の提出要求

イーロン・マスク(Getty Images)

ニュースサイトのThe Vergeは米国時間8月24日、ストックオプションの付与を求めるX(旧ツイッター)の従業員に対し、イーロン・マスクが自身の会社への貢献を詳細に記した1ページの報告書の提出を求めていると報じた。この動きは、マスクが所有するいくつかの企業で採用されている、独特な従業員ポリシーの一つと言える。

The Vergeが確認した従業員向けのメールによれば、Xは、従業員に与えられる株式オプションを、予測される彼らの貢献に応じて決定する予定だという。そのため従業員は、株式を受け取るために自らの貢献についての報告書を作成する必要がある。

この要件は、Xの報酬プランの見直しが遅れている中で導入されたもので、The Vergeは、マスクがXの従業員に対して、宇宙開発企業のスペースXのように株式を定期的に現金化できようになると以前に伝えていたと述べている。

マスクは、当時のツイッターを440億ドル(約6兆4000億円)で買収した直後に、従業員に対して「極めてハードコア」な運営体制に移行する旨のメールを送り、彼らに「高い集中力で長時間働く」ことを求めたとワシントン・ポスト紙は報じていた。このメールでマスクは、従業員に対して誓約書に署名する、もしくは、「3カ月分の退職金を受け取って退職する」の選択を迫ったとされている。

マスクはまた、新型コロナウイルスのパンデミックの2年目に、オフィスでの勤務への復帰を強く推進し、テスラとスペースXの従業員に対して「週に最低40時間はオフィスで働く」ことを要求し、これに従わない場合は解雇すると伝えたとニューヨーク・タイムズ紙は報じていた。

マスクは、Xのオーナーになった直後にもリモートワークを厳格に取り締まり、マネージャーに少なくとも月に一度、従業員と対面で会うよう要求し、「例外的」でない従業員にリモートワークを許可した幹部に対して解雇をちらつかせたとNBCニュースは報じていた。

米国記事の公開時点では、Xはフォーブスのコメント要請に応じていない。

マスクは従業員の削減を躊躇せず、その過程を率直に話すことを恐れない。彼はBBCに対し、Xで6000人以上の従業員(全体の約80%)を解雇したことを明かし、そのプロセスが時に「痛みを伴う」と述べていた。また、今年初めには数百人のテスラ従業員を解雇し、世界的な労働力の10%以上に影響を与えた。その後、同社はサービスと人工知能(AI)の役割を担う800人の従業員を募集しようとしたとフォーチュン誌は報じていた。

労働組合を認めないマスク

マスクは、労働組合を結成しようとする労働者を脅迫したと以前から非難されており、今月もドナルド・トランプとのXの対談中に、従業員を脅迫、威嚇するような発言をしたとして、全米自動車労働組合(UAW)から苦情を申し立てられた。

フォードやゼネラルモーターズ(GM)、ステランティスなどの自動車メーカーで働く約39万人の労働者を代表するUAWは、マスクとトランプが「ストライキ中の労働者を違法に解雇することを提唱した」と非難した(テスラは、労働者が労働組合に加入していない唯一の米国の大手自動車メーカーだ)。

マスクが従業員に求める厳格なポリシーの一部は、おそらく彼自身の労働倫理に由来している。彼は、2018年にテスラがモデル3を生産していた頃、会社のソファやデスクの下で寝泊まりしていたことを明かし、「家に帰ってシャワーを浴びる時間がなかった」と述べて注目を集めた。彼はまた、今年初めに行われた決算発表の際に、テスラの従業員が新たな電気自動車(EV)の製造ラインの構築を推進するために、工場で寝泊まりする必要があるかもしれないと投資家に伝えたと、ビジネスインサイダーは報じていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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